(3)ビデオ会議をリモート参加者の視点から考える

 会議を設計する際には、常に次の問いを自分に投げかける。リモート参加者に何が見えていれば、会議に集中できるか。リモート参加者に見える必要があるのは、会議室から参加している人の顔、共有されているプレゼンテーション、配布資料、そして会議中にホワイトボードやフリップチャートに書かれた内容だ。

 簡単なのは、会議室にいる参加者全員に、各自のノートPCからズームでミーティングに参加するよう頼むことである(ただし、ミュートにする)。そうすれば、リモート参加者にも参加者全員の顔を見ることができ、資料も簡単に共有できる。この種の「会議室内バーチャル会議」が提案されるケースは少なくない。

 とはいえ、もし会議室に集まった人たちがPC経由で会議に参加するなら、わざわざ会議室に来なくても、自宅やデスクに座っていればよかったことになる。会議室に来ている人は、少なくともいまのところ、久しぶりに同じ場所で一緒に過ごせることを喜んでいるため、リモート参加者のためとはいえ、自分のノートPCの前で背中を丸めて過ごすようなことはしたくないだろう。

 特に、最新のビデオ会議テクノロジーが高額すぎる場合や利用できない場合、ちょっとした工夫をすることで、参加者全員に良質のビデオ体験を創出できる。

 たとえば、筆者らがフロリダのホテルで行った2日間のオフサイト会議では、10人が直接対面での会議に参加し、2人はリモート(1人はチューリヒ、もう1人はロサンゼルス)で参加した。

 そこで我々は、3台のウェブカメラをノートPCに接続し、4台目のノートPCはメインスクリーンに映っているもの(たいていはパワーポイント)を共有するために使った。

 3台のウェブカメラのうち2台は三脚に据え、それらをホテルの会場にいる参加者に向けて、誰が話しているのかがリモート参加者に見えるように配置した。3台目のウェブカメラは必要に応じて位置を動かし、プレゼンテーションをしている人やフリップチャート、壁に貼られた大きな図表がよく見えるようにした。

 リモートで参加しているエグゼクティブそれぞれが使っている2台のノートPCに、これら4台のノートPCが加わったため、1つのズーム会議に「6人の参加者」が現れた格好だ。

 会議終了後のフィードバックから、この設定のおかげで、リモート参加者も「自分は傍観者ではなく、会議に欠かせない参加者の一人だ」と実感できたことが確認されている。

(4)リモートでの参加者を実物大で映す

 リモート参加者を対面の参加者と同等の立場にするもう一つの方法は、会議室での彼らの存在を、文字通り大きくすることだ。中央に置かれたメインスクリーンに加えて、大型モニターを会議室の両端に1台ずつ設置し、会議の間、リモート参加者を「実物大」で映し出すのである。

 このような大画面は、会議室にいる参加者がリモートで参加している同僚を完全な参加者として受け入れるのに役立つとともに、彼らを会話に招き入れなければならないと常に心に留めておくことにつながる。

 同様の理由から、できればリモート参加者が映っているモニターから本人の声が聞こえてくるようにするとよい。天井のスピーカーから声が流れてしまうと、この状況の不自然さが強化されるからだ。