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米映画業界の大物プロデューサー、ハーベイ・ワインスタインによる性的暴行が明るみに出たことをきっかけに始まった#MeTooムーブメントは、いまや世界中に大きな影響を及ぼしている。多くの人々や組織がこの問題に対処し、職場における女性支援が拡大する一方で、反動から男性が女性を登用することに躊躇していると主張する向きもある。本稿では、映画製作者に関するデータセットから、ワインスタイン事件後にハリウッドの女性脚本家が置かれた状況が改善されたかどうかを分析することで、問題の根本的原因に対処し、現実的な変化をもたらす可能性を論じる。


 ハリウッドの大物プロデューサーであるハーベイ・ワインスタインが長年にわたり性的暴行を働いていたことが、告発記事によって明らかにされたのは3年以上前のことになる。だが、それをきっかけに生まれた#MeTooムーブメントは、現在も世界中で生き続けている。

 その告発の対象は、政治家ビジネスリーダーをはじめ、さまざまな分野の有力者にわたり、政策行動の両面で有意義な進捗を生み出してきた。

 #MeTooムーブメントは、セクシャルハラスメントの問題を全米を巻き込んだ議論に発展させただけでなく、リプレゼンテーション[編注]やパワー(権限や影響力)におけるジェンダー格差、そして固定化されたジェンダーステレオタイプにも光を当てた。

 そのどれもが性的不正行為の根本的原因であることが、研究によって示されている。この気づきに後押しされて、多くの人々や組織がこの問題に対処し、職場における女性支援を拡大してきた。

 その一方で、多くの人はいまだ懐疑的であり、#MeTooムーブメントの反動で、男性マネジャーが女性を登用したり、協働したり、メンターを務めることに及び腰になったと主張する人々さえいる。

 たしかに、こうした主張には事実に即した側面もある。#MeTooムーブメントの真のインパクトを見極めるのが難しい理由の一つは、他の広範な社会運動がどれもそうであるように、無数の社会トレンドと複雑に絡み合っているために、運動そのものの純粋な効果を特定しづらいことだ。

 しかし、検証できる状況を設定することで、この運動によって影響を受ける可能性が高い人と低い人を区別できるようにすれば、そのインパクトをより厳格に定量化できるはずだ。