Evgeniy Shvets/ Stocksy

組織のあり方が変われば、求められるリーダーシップも変わる。利益第一主義が過去の遺物となり、パーパスや従業員を主軸とした組織文化が成功を牽引する現在、男性リーダーはこれまで以上にダイバーシティと平等の実現に尽力することが必要になっている。優秀な人材の宝庫である女性を活用できなければ、組織にとっても大きな機会損失になるのは明らかだ。本稿では、男性リーダーがみずからアライとして積極的に女性を支援し、職場にダイバーシティと平等をもたらすための4つの戦略を紹介する。


 世の中の男性に伝えたいことがある。父親世代のリーダーシップを踏襲しても、現代には通用しない。事実、方法としては間違ったアプローチだといえる。

 新型コロナウイルス感染症のパンデミック、社会的不正義を示す厳格な証拠、従業員アクティビズムの台頭、そして企業の役割の変化(もはや成功の条件は株主価値だけではない)が生じる中、職場が根本的変化を遂げているのは明らかだ。

 何十年もの間、有効性のあるリーダーシップとは、トップダウン式の階層的アプローチによってビジネスの成果を加速させるものだと考えられてきた。20世紀のリーダーは、権威主義的なリーダーシップを執ることが多かった。

 しかし、職場は変化している。仕事の性質や仕事を成し遂げる方法から、仕事をする人々まで変わりつつある。「何」をつくるかにフォーカスし、高い生産性を求めてきた利益主導の組織は、「なぜ」つくるのかにフォーカスし、従業員を中心に据えたパーパス主導の組織に進化しつつある。

 こうした変化が起きている原因の一部は、社内のタレントプールそのものにある。20世紀の従業員は均質で、大多数を男性が占め、主にベビーブーム世代とX世代で構成されていた。しかし現在では、社内の人材はますます多様化が進み、ミレニアル世代とZ世代が大半を占めている。

 2017年時点で、フルタイム従業員として雇用されている割合が最も高いのは、ミレニアル世代だった。コラボレーションと透明性、健全なワークライフインテグレーション(仕事と生活の統合)を好み、ダイバーシティとインクルージョン(包摂)に価値を置き、そしてパーパス主導の組織を望む傾向があるミレニアル世代は、新たなタイプのリーダーシップを求めている。

 さらに、新しい仕事の世界では、純粋なジェンダー平等を実現すれば莫大な経済的機会が得られることを、リーダーが理解することが求められている。

 1981年以降、女性が獲得した大学の学位数は男性の獲得数よりも多い。現在のところ、コロナ禍で「シーセッション」、すなわち家族のケアという負担のために数多くの女性が離職に追い込まれるという現象が生じているものの、大卒人材の過半数は女性だ。

 女性人材は、スキル、能力、コンピテンスの宝庫である。優秀な女性を惹き付けて活用できないことは、組織にとって大きな機会損失だ。

 それゆえ、男性リーダー(より広範には男性全般)は意識的に女性とアライシップを組み、相手を理解したり支援したりすることで、ジェンダーインクルージョンと平等の実現に取り組むことがますます期待されている。アライシップは、協働的な人間関係、スポンサー制度、そして職場文化というシステム全体の改善を牽引するアドボカシーといった形を取る。

 これまで、女性のインクルージョンと昇進は「あったらよいもの」と見なされてきた。だが、現代の男性リーダーは、女性の完全なインクルージョンと十分なジェンダー平等を実現することが、自分自身のリーダーシップを形成する中核的要素であることを理解しなくてはならない。

 さらに、最近の研究では、ダイバーシティやインクルージョン、アライシップといった重要原則のバリュープロポジションを真に理解しているリーダーは、最高経営幹部に昇進する可能性が62%高いことが示されている。

 幸いなことに、あなた自身がインクルーシブリーダー、そして女性のアライになるための方法が存在する。「ジェンダー平等を実現するには、女性とのアライシップが優先事項である」と考える男性リーダーについて調査を行ったところ、筆者らはインクルーシブリーダーシップに必要な4つの戦略を特定することができた。

以下に紹介しよう。