Giada Canu/ Stocksy

リモート会議に慣れてきたリーダーは、新たな課題に頭を悩ませている。一部の従業員がオフィスに戻りつつある現在、会場で対面する従業員と在宅勤務を続ける従業員の両方に向けて、プレゼンテーションを成功させるにはどうすればよいのか、である。問題は、会場で発生する非言語的な手がかりによって生み出されるエネルギーが、リモート参加者には共有されない点だ。そこで、コロナ禍初期からスクリーン上でのスキルを磨き、一部の子どもたちが教室に戻ってからはハイブリッド授業を成功させている学校の教師を模範にすることを、筆者らは推奨する。本稿では、彼らに倣い、ハイブリッド・プレゼンテーションを成功させるための7つの戦略を提示する。


 筆者らは最近、あるCEOからハイブリッドオフィスでのパブリックスピーキングに不安を感じるという話を聞いた。「現在のプレゼンテーションは、シンプルです。全員がズームですから」と彼は言う。「オフィスに戻る人たちがいて、在宅勤務を続ける人たちもいるようになったら、いったいどうなるのでしょう」

 その不安は理解できる。ズームでのプレゼンテーションは理想からはほど遠いが、少なくとも聴衆は平等な条件下にいる。画面に現れる参加者の表示も、全員同じサイズだ。

 それに比べて、ハイブリッド・プレゼンテーションには、リモート参加者に深刻な不利益をもたらすリスクがある。主な理由の一つは、私たちが物理的に一緒にいる時に生み出されるエネルギーの共有に関係している。そして、物理的に一緒にいない時、そのエネルギーは欠落する

 エネルギーの一部は、私たちが部屋で一緒にいる時に発生する、非言語的な手がかりによって生み出される。理解を示す目線、顔の表情、個人間のアイコンタクトはどれも、より自然な会話の流れを可能にしている。オンラインでは明らかに存在せず、このエネルギー共有の欠如が、リモート参加者の気力を奪う可能性がある(それゆえ、ズーム疲れの要因の一つになる)。

 ハイブリッド・プレゼンテーションをよりインクルーシブ(包摂的)で活気に満ちたものにして、成功させたいと考えている企業のリーダーは、学校の授業を模範にするのがよい。

 コロナ禍やロックダウンの初期、オンスクリーンでのスピーキングスキルやプレゼンスの向上を目指していた多くの教師や教育者から、筆者らは相談を受けた。新しい学年度が始まり、一部の子どもたちが学校に戻ると、「ハイブリッド授業で効果的に教える」という課題をマスターしている素晴らしい教師を何人も目にしてきた。

 筆者らは最近、そのうちの一人の授業に立ち会う機会に恵まれた。メリーランド州ベセスダ出身の7年生(日本の中学1年生に相当)を担当する教師で、ハイブリッド授業で詩を教えていた。その様子を見た筆者らは、すぐさま彼のエネルギーに心を打たれた。彼は体を絶え間なく動かし、目線を画面から教室の子どもたちへとシームレスに移動させていた。

 また、子どもたちにも体を動かすよう促し、手を挙げさせたり、リモートの子どもたちにも立ち上がって朗読させたりした。さらに重要なことに、子どもたちを少人数グループに分けて作業にあたらせたのだが、リモート授業にオンスクリーンで参加していた子どもたちも、グループに混ざって一緒に作業していた。ハイブリッドでありながら、クラスは1つだった。

 以下に、プレゼンターや会議のリーダーがハイブリッドな聴衆の一人ひとりと、より効果的に関わるための7つの戦略を紹介する。