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コロナ禍で生じた変化や不確実性や混乱は、リーダーが抱える課題をますます複雑なものにしている。先行きが不透明な中で人々を率いるのは容易なことではなく、行き詰まりや自分の能力不足を感じて、精神的に打ちのめされてしまう場合も少なくない。そうした状況では、まずリーダー自身が自分をどう率いるべきかを知ることが欠かせないと、筆者らは指摘する。本稿では、リーダーが継続的に学び、進化し、複雑化する状況を乗り切る能力を高めるために必要な6つの戦略について解説する。


 変化と不確実性と混乱を乗り切るリーダーシップの重要性を疑う人がいたとしても、2020年に起きた新型コロナウイルス感染症のパンデミックは、そうした能力が必要であることを極めて明確にした。

 誰もが将来のパンデミックを回避したいと願っているが、1つ確かなことは、状況がより複雑になることは避けられないということだ。

 筆者らが仕事で関わるリーダーは、増大する課題に直面すると、行き詰まりや能力不足を感じ、精神的に打ちのめされると口にすることが多い。

 ロバート・キーガンとリサ・ラスコウ・レイヒーが共著書『なぜ人と組織は変われないのか』で述べているように、世の中の複雑性が私たちの「脳の複雑性」を上回る時に、そうした感情を抱くのも無理はない。具体的な数字を挙げれば、コンピュータの処理能力は1950年代半ばから1兆倍以上になったが、私たちの脳は変わっていないのだ。

 複雑性が増していく中で、リーダーが人々を有効に率いるには、まず自分を率いることを学ばなければならない。リーダーが直面する状況はそれぞれだが、筆者らの経験から、リーダーが継続的に学び、進化し、ますます複雑化する課題を乗り越える力をさらに高めるための6つの戦略が見えてきた。