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仕事をしていれば、行き詰まったり悩んだりして、誰かに助けを求めたくなるのは特別なことではない。だからといって、むやみに質問すれば「そんなことも知らないのか」と無能扱いされたり、「自分で調べろよ」と怠け者のレッテルを貼られたりして、自分の評価を下げてしまうおそれがある。疑問が生じた時にプロフェッショナルとして適切な質問を投げかけるには、あらかじめ下調べしたり、適切な相手やタイミングを特定したり、周到な準備が欠かせない。本稿では、職場で上手に質問するための3つのステップを紹介する。


 誰しも経験があるはずだ。仕事をしていて、壁にぶつかり、誰かの助けが必要になる。だが、助けを求めようにも、同僚の仕事の邪魔になるのではないか、わかりきったことを聞いていると思われるのではないかと、不安になる。

 筆者は、著書The Unspoken Rules(未訳)を執筆するために、さまざまな業界や職種のプロフェッショナル500人以上にインタビューを行った。「職場で一番苦労していることは何か」と尋ねたところ、彼らが同じ不安を抱いていることを何度も耳にした。多くが「助けを求めること」と答えたのだ。

 誰かに助けを求めることは、うまくいっても、自分の弱さを他人にさらすことになる。悪ければ、無能か怠け者だと思われかねない。

 幸いなことに、筆者は今回の調査研究から、よりよい方法を見つけた。具体的に内容について、以下にひも解いていこう。

 ●質問の前に下調べする

 助けを求めるための最初のステップは、実際に声を上げることではない。その質問が聞くに値するか確認することだ。つまり、下調べをする必要がある。

 まず、3つの同心円を思い描いてほしい。最も小さい円は、あなたが現在知っていることだ。

 真ん中の大きさの円は、現時点では知らないが、自分で調べればわかることである。この円に入ることを聞くのは、すべて悪い質問だ。そうした内容について尋ねたら、相手から「勘弁してくれよ。こんなこと、ネットで調べれば10秒でわかるだろう」と思われてしまう。

 一番外側の円は、自分が知らないことで、調べてもわからないことを意味する。それゆえ、誰かに聞くしかない。この円に入ることを聞くのは、すべてよい質問だ。あなたが投げかけるべきは、この円に入る質問である。

 あなたが「Xとはどういう意味か」を聞きたい場合(正答が存在する場合)、まずはネットを検索したり、メールの受信箱やチームの共有フォルダ、会社のイントラネットを掘り返したりして、自分で答えを探してみる。重要なのは、最新のファイルやメールをすべて開いたり、あらゆるウェブサイトにあたったりすることではなく、自分自身でやれることはやったうえで、質問相手と費やす貴重な時間を最大限活用できるようにすることだ。

 その疑問に対する答えが自分には共有されていない、自明の場所には見当たらない、あるいはグーグルの検索結果の1ページ目にはないと確信を持てたなら、十分に下調べをしたといえる。自分で調べる中で、正しいと確信を持てる答えが見つかった場合には、質問する必要はない。そうでないなら、質問するのは理にかなっている。

 もしあなたが、「次は何をすればよいか」あるいは「これはどうやればよいか」(必ずしも正答がなく、どちらのアプローチが「よりよい」か「より悪い」かしか答えがない場合)質問しようとしているなら、複数の選択肢を検討して、プラス面がマイナス面を上回るアプローチを見極める。

 仮に、質問する相手が誰もいないと想定する。あなたはどの選択肢を検討し、どれを選ぶだろうか。次の文章を自分の状況に当てはめてみるのも、方法の一つだ。「試すとすれば、選択肢のAかBかCだろう。○○の状況を考えると、Bが最も理にかなっている」

 明らかに他よりも優れた選択肢を特定し、他人に影響を与えずにそれを実行できるなら、その質問もする必要がない。相手が誰であっても、尋ねればその選択肢を提案してくれると思われるからだ。そうした選択肢が見つからない場合、質問するのは理にかなっている。