Juan Moyano/Stocky

新型コロナウイルスの感染拡大により、デジタル化が急速に進行したことに加えて、意思決定の複雑さもいっそう増している。新たな時代に価値創造を実現するためには、リーダーは自分の強みを伸ばすだけでなく、両立するのが簡単ではない6つの資質を備える必要がある。本稿では、マイクロソフトやフィリップスなどの調査をもとに、デジタル時代のリーダーに求められる資質を紹介する。


 新型コロナウイルスのパンデミックは、ここ10年に進展していたある流れを加速させた。

 世界がよりデジタルに、より複雑になるにつれて、リーダーが下さなければならない意思決定の範囲は拡大し、大局的な戦略的思考や慎重な実行、テクノロジーの導入計画、従業員のスキルアップとエンゲージメントなど多岐にわたっている。さらに、意思決定の条件も広がり、狭義の利潤期待に加えて、ESG(環境、社会、ガバナンス)への配慮を重視するようになった。

 この1年は特に厳しく、リーダーはこれまでに経験したことのない決断を、かなり迅速に下すよう迫られている。

 この新しい価値創造の時代に成功するために、リーダーには新しいスキルとケイパビリティが必要だ。筆者らはマイクロソフト、クリーブランド・クリニック、フィリップスなど、新しい世界で成功するために変革を遂げ足場を固めた10社以上を徹底的に調査した。すると、これらの企業のリーダーが、自分の得意分野だけに頼るのではなく、幅広い資質を高めようと努力していることがわかった。

 彼らは異なる経歴や考え方を持つ人々と仕事をする方法を学び、さまざまな違いがあっても協力して自社を率いることを重視した(リーダーシップに関するアンケートに関心がある人は、本稿の最後に詳細を掲載している)。

 筆者らがインタビューしたリーダーが、新しい時代に最も重要だと考えている資質は、ブレア・シェパードが近著Ten Years to Midnight(未訳)で挙げている「リーダーシップの6つのパラドクス」とかなり重なっている。