構造的な解決策が必要である

 こうしたケアの危機には、家庭の領域を超えた構造的な解決策が必要になる。学校や保育所を安全に再開することが理想的だが、多くの地域ではまだ実現できそうにない。父親の家事労働を促す構造的な解決策が有効と考えられるが、それには企業や政府の支援が欠かせない。

 父親の家事参加の増加は、パンデミック下に自宅にいられるかどうかによると見られる。在宅勤務、柔軟な勤務体制、有給休暇など、男性の在宅を促進するワークライフ政策や企業の制度を拡大することは、父親がパートナーの負担を軽減するカギとなる。パンデミックで多くの仕事が在宅勤務になったが、重要なのは、それだけでは父親の家事参加を増やせない点だ。

 パンデミックの間に在宅勤務をする父親の数は激増している。筆者らの推定では、2020年3月から4月にかけて、パートナーを持つ完全在宅勤務の父親の割合は9%から41%に増加した。しかしながら、在宅勤務は必ずしも柔軟な働き方ではないため、父親の家事貢献度の増加は鈍い。

 実際、パンデミック前のデータによると、在宅勤務が雇用者から義務付けられている場合、在宅勤務ではない人や個人的な理由で在宅勤務をしている人に比べて、父親の家事負担は少なかった。父親の家事参加を増やすには、企業は従業員に対して可能な限り柔軟な働き方を提供しなければならない。

 有給休暇も重要だ。米国の労働者はあまりにも長い間、過労の状態にある。他国の親と比較して、米国の親ははるかに少ないサポートでより長時間働いている。経済協力開発機構(OECD)加盟国38カ国の中で、米国の労働者は年間の有給労働時間は10位だが、有給休暇の取得は最下位だ。

「コロナウイルス支援・救済・経済安全保障法」(CARES法)によって主たるケアギバーに有給休暇が付与されることになったが、2020年12月に議会で可決された新たな景気刺激策にはそれが組み込まれなかった。

 新しい法律は休暇を付与するだけでなく、父親を明確に含める必要がある。「主たるケアギバー」という一般的な言葉を用いることは、片方の親だけがケアに責任を負うことを示唆し、母親が休暇取得を余儀なくされる可能性を高める。

 パンデミックの終息までに、母親や他の主たるケアギバーのウェルビーイングがいっそう損なわれないようにするには、男性にもっと行動してもらう必要がある。母親たちはパンデミックの影響をまともに受けてきた。父親のみなさん、今度はあなたたちが努力する番だ。


HBR.org原文:To Keep Women in the Workforce, Men Need to Do More at Home, April 20, 2021.