役割分担のバランスを取ることは
解決策の一部にすぎない

 母親と父親にそれぞれの役割分担を見直し、パンデミックの問題を解決するよう求めても、子どもの学校のスケジュールやケアのニーズと相容れない勤務体制の問題は解決しない。

 米国心理学会(APA)の支援を受けた調査によれば、子どもを持つ人は持たない人に比べて、パンデミック初期に著しく高いストレスを抱えていたことが明らかになっている。ストレスの多くは、ケアサポートが失われたことと、ワークファミリーコンフリクトに対する政策や制度が不十分だったことに起因していると考えられる

 筆者らの調査によれば、パンデミック前には半数以上の親が親以外のケア(保育所、在宅保育、祖父母など)を利用していたが、4月末になると子どもを人に預けていたのはわずか3%だった。

 調査結果では、パンデミック初期にケアサポート(特に対面式の学校教育)が失われたことが、母親の雇用に与えたネガティブな影響と関係していることが確認されている。

 パンデミック前にフルタイムの保育所を利用していた家庭や、パンデミック初期に自宅学習用コンテンツの作成や用意を担った家庭では、母親が仕事を辞めるか労働時間を短縮するリスクが大きいことが明らかになった。

 2020年春には、大部分(少なくとも半数)の親が子どもの自宅学習を手伝っていると回答している。そして、親たちが認めているように、この新たな家事の大半を担っているのは母親だ。