カレンダーを使って運用する

 この4象限のマトリクスを学ぶことは、最初のステップにすぎない。見識を行動に移すための計画がなければ、ベストな方法で子どもと過ごそうと思っても、長たらしい「やることリスト」に振り回されてしまう。カレンダーを使って、第1象限の活動のための時間を確保しよう。

 ●前もって計画を立てる

 公演会や教職員とのカンファレンスなど重要な学校行事は、情報を得たらすぐにカレンダーに書き込もう。ただ、この方法は完璧ではなく、出張や提出物の締め切りが入り込む週も頻繁にあるだろう。しかし、先を見越して計画を立てておくことで、行事に出席できない時も前もって正直に話し合うことができる。

 ●色分けする

 カレンダーを色分けすることで、自分の時間の使い方を長い目で見ることができる。キャロルは娘との第1象限の時間をオレンジ色で強調した。そうすることで、どの週も完璧にバランスが取れることを期待するのではなく、長期間の傾向を見ることができる。色分けの目的は、(働く親が感じがちな)罪悪感を抱かせることではなく、必要に応じて調整するための手がかりにすることだ。

 ●対話を続ける

 子どもと過ごす時間の優先順位をつけたり、計画を立てたりしても、子どもを巻き込み、変化に対応するためには、子どもとの対話を続けることが大切だ。

 ●予定を確認し合う

 1年を通して、家族が一堂に会し、予定を確認する機会を設けよう。年齢の高い子どもがいる家庭では、日曜日の朝食時など曜日と時間を決め、全員がノートPCやカレンダーを見ながら、その先1週間の予定を確認する。子どもが複数いる家庭は特に、親の時間や関心をめぐってきょうだいが対立することがあるが、家族で予定を確認することで、子育ての時間が公平に配分されるようになる。

 子どもが幼い場合は、壁掛けカレンダーや大きなホワイトボードに、仕事やあなたのタスクを示す絵を描くなどして、視覚的にわかるようにする。子どもたちを最も苦しめているのは、あなたがいつ家にいるのか、いないのかという不確実性や一貫性のなさであることが多い。

 ●話し合う

 親たちがどこで、どのように時間を使っているかを子どもたちに定期的に話すことで、よいコミュニケーションと時間管理の方法のモデルをつくることができる。子どもと過ごす(あるいは過ごさない)時間が家族の進歩の妨げになっている場合は、それを避けたり、事態を悪化させたりするのではなく、話し合おう。

 ともに過ごす時間をより満足できるものにするために、子どもたちに一緒に問題を解決してほしいと伝えよう。時間に束縛されてしまう時は、他の家族や隣人、配偶者に助けを求める姿を子どもに見せるといい。

 キャロルは最終的に、子育ての時間の決断が計画的になったことで、自分ではるかにコントロールできて、効果的になったと実感した。

 キャロルと彼女の娘は、サッカーの練習のためにキャロルが会社を早退するのはやめることで意見が一致した。娘からは、サッカーの練習中はキャロルは仕事に集中し、その後に迎えに来るよう促された。10代の彼女にとっていま大切なのは、気が散るものがなく、1対1で互いの一日を振り返ることができる練習後の車中の時間だと打ち明けられたという。

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 私やキャロルと同じように子育てをしながら仕事をする人たちが、本稿で紹介した方法を実践することで、自分の時間の使い方に自信を持ち、時間が足りないという理由だけで何かを諦めることに対する罪悪感が軽減されることを願っている。そうした変化が仕事での充実感を高め、子どもの成長に合わせて彼らとの有意義な関係を維持するのに役に立つ。

※本稿は、HBRワーキングペアレンツシリーズの書籍Getting It All Doneからの抜粋である。


HBR.org原文:Are You Spending Your Parenting Time and Energy Wisely? April 19, 2021.