親としての貢献度と情熱を明確にする

 子どもと一緒に過ごしても感謝されていないと感じたり、一緒に過ごさないと罪悪感を抱いたりするのではなく、子育ての時間とエネルギーに優先順位をつけることができる。

 キャロルには、私が組織のリーダーらと実践している方法を試してもらった。自分の貢献度と情熱に応じて優先順位をつけるのだ。自分の子どもの一人を思い浮かべて、次の2つの質問に答えてほしい。

1. 貢献度:自分がしている活動、タスク、提供しているサポートの種類の中で、子どもがいま、最も大切に思っているものは何か(子ども一人ひとりについて答える)。

2. 情熱:自分がしている活動、タスク、提供しているサポートの種類の中で、親としての自分に最もやる気やインスピレーション、エネルギーを与えるものは何か。

 上記の2つの基準をもとに4象限のマトリクスをつくると、子育ての時間の使い方を決めるのに役立てることができる。

 第1象限:貢献度が高い/情熱が高い

 この象限は子育て時間のスイートスポットだ。ここに含まれる活動は、子どもに対する価値を高め、自分に対してはエネルギーを高める。

 キャロルは質問に対する自分の答えを見て、娘とのベストな時間は互いに関心があるテクノロジーのこと、一緒にランニングをすること、娘の関心があることについて調べることなど、自分が貢献できて、かつ情熱を得ることができる活動であることに気がついた。

 こうした活動が親子の絆を深めるのだ。キャロルは第1象限の活動を重視して、子育ての時間に優先順位をつけることに同意した。

 第2象限:貢献度が高い/情熱が低い

 第2象限の活動は、親のエネルギーを消耗させることを子どもが必要としているため、やっかいだ。解決策はその活動をやめることではなく、エネルギーへの影響を最小限にするか、助けとなるリソースを見つけることだ。

 たとえば、キャロルは学校の書類を記入するとくたびれるが、夫はそれが平気なことに気がついた。2人はそれぞれの貢献度と情熱を比較し、彼女の第2象限にある活動と夫の第1象限にある活動で一致するものがあるか、またその逆があるか探した。

 ヘルパーなどの介護者がいる場合は、リソースをさらに最適化することができる。

 第3象限:貢献度が低い/情熱が高い

 子どもの興味やニーズは常に変化している。第3象限が親にとって危険なゾーンなのは、子どもと関わる活動や趣味を自分は楽しんでいても、子どもにとってはそれらの価値が低いことがよくあるからだ。悪ければ、親がそれを大事にしていることを子どもは知っているために、子どもにその活動をするよう不用意なプレッシャーをかける恐れがある。

 子どもが成長する中で親の貢献をどう考えているのか、定期的に確認することが大切だ。私自身も働く親として、毎年、学年の初めには息子と膝を交え、自分が母親として行っていることのうち、息子が最も大切に思っていることのトップ3を聞くのを慣習にしている。

 息子が小さかった頃は、一緒にしていることをすべてリストにして、好きな項目を3つ選んで横に星印をつけてもらっていた。息子が成長したいまは、もっとオープンな会話になり、息子が選んだ自分の貢献度の上位3つと、自分が情熱を得ている上位3つを比較して、スイートスポットを見つけている。

 私たちにとってのスイートスポットが、年々変化していることには驚かされる。息子がまだ幼かった頃、ベビーシッターを雇っていた時でさえ、息子が大切に思い、自分が楽しんでいたのは、毎週決まってやっていた学校への送り迎えと、空手の練習、寝かしつけだった。

 10代になった現在の息子は、私が学校の送り迎えをすることは大事ではないどころか、それをしている私の姿を学校で見られたくない! その代わり彼は、週末のバレーボールの大会、特に郊外での大会に私が関わることを大切に思っている。

 過去に縛られるのではなく、現在の息子に合わせることで、私は第3象限ではなく第1象限にとどまることができる。

 第4象限:貢献度が低い/情熱が低い

 忙しかったり何でもやろうとしたりすると、価値も高めず情熱も得られない活動に機械的に取り組んでしまうことがある。親は習慣や思い込みに陥りやすく、考え直すことなく、ずっとやってきた行動を続けてしまいがちだ。

 これは、キャロルが娘のサッカーの練習で感じたようなフラストレーションにつながる。彼女は毎週火曜日に練習に行くことに慣れていたが、それは2人にとってもはや価値もエネルギーももたらさないことがわかった。

 あなたが第4象限にいるなら、あなたにとっても、あなたの子どもにとっても重要ではなくなったその象限の活動をやめて、貴重な時間を取り戻すことが一番だ。