戦術3:「and」を監査する

「and(および、かつ)」は、クリスマスツリーにオーナメントを追加するように、あるフレーズや要点に詳細を付け加える便利な接続詞に思えるかもしれない。しかし、ツリーはオーナメントが多すぎると重さで倒れてしまうように、あなたが伝えようとしている要点がじゃまされかねない。

 たとえば、次のような文章がある。

「この効果的かつ(and)効率的なアプローチは、最も重要で関連性の高いオーディエンスに、私たちのブランドを愛し、かつ(and)大切にしようという気持ちを刺激して、かつ(and)動機付けをするだろう」

 この文章に「and監査」を行い、重要性の低い冗長な説明を省いてみよう。

「この効果的なアプローチは、最も重要なオーディエンスに、私たちのブランドを大切にするという気持ちを起こさせるだろう」

 説明が短くて項目数が少ない文章のほうが、より効果的だ。これは直感に反するように思えるかもしれないが、複数のアイデアがある場合の問題は、注意を引こうと競い合い、結果的にそれぞれのイパンクトが薄くなることだ。「and」は、そうした小競り合いが起きる危険信号なのだ。

 先日、あるCEOの基調講演について「and監査」を行ったところ、2つのアイデアを1つにまとめられる箇所が全体で5カ所見つかった。削除した言葉の大半は、重複しているか、ほとんど意味を付加していなかったので、なくても困らなかった。また、削除した言葉をCEOのチームが覚えている可能性も低かった。この監査と削除によって、要点がより直接的になっただけでなく、言いやすいセリフも生まれた。

 炭水化物を制限するダイエットのように、「and」を単語帳から排除するという意味ではない。「and」が出てくるたびに、表現を精査する目印にするのだ。1つの要点や文章の中で複数の表現が本当に必要かどうか、あらためて考えよう。単語が1つ増えるだけで、聞き手が認識する負担を増やすことになる。

 結局のところ、聞き手は小さな言葉よりも重要なポイントに積極的に反応するものだが、思慮深いリーダーは両方の価値を見極める必要がある。たとえ小さな表現でも、より力強く伝えることができれば、鼓舞したい人々に大きな印象を与えることができる。


HBR.org原文:Find the Right Words to Inspire Your Team, April 13, 2021.