Illustration by Ricardo Tomás

片頭痛は極めて深刻な問題だ。突如として激しい痛みに襲われ、めまいや吐き気、思考力の低下を引き起こす。片頭痛は個人の生活の質を著しく下げるだけでなく、企業にも重大な影響をもたらしている。従業員がプレゼンティーイズム(出勤しているが生産性が低下している状態)に陥ることで、莫大な損失を被っているのだ。本稿では、従業員の生産性を向上させるために、企業がいかなるサポートを提供すべきかを論じる。


 片頭痛を単なる重い頭痛と考える人は多い。しかし、実際には片頭痛は慢性疾患であり、その症状は通常の頭痛よりもはるかに深刻だ。片頭痛の発作は、激しい痛み、思考力の低下、視力の変化、めまい、吐き気、光や音、匂いに対する過敏性などを伴うことが多い

 さらに、長期的な生活の質への影響という点で、片頭痛は最も障害の大きい疾患の一つであることが研究で示されている。片頭痛はまん延していて、米国では4700万人、世界で10億人以上の人々がそれを抱え、仕事の生産性が最も高い年齢層(25~55歳)に発作のピークを迎える。

 片頭痛はあらゆる時に起きて何もできない状態にさせるので、多くの人を苦しめているだけでなく、雇用主にとっても大きな負担となっている。最近の研究は限られているが、過去20年間の研究によると、片頭痛によって雇用主が被る生産性損失は、米国で少なくとも毎年130億ドル、欧州で同270億ユーロとなり、これらのコストは研究が行われて以来、ここ数年で増加していると見られる。

 こうしたコストは、欠勤や短期の障害によるものもあるが、大部分(89%)はプレゼンティーイズム(出勤しているが生産性が低下している状態)に起因している。片頭痛を持つ従業員は、その発作のために年間平均で4.4日欠勤し、さらに年間11.4日を生産性が低下した状態で過ごすため、雇用主には実際の欠勤よりも多くのコストがかかっている。

 幸いなことに、(企業にとっても従業員にとっても)片頭痛のコストに対処するための実用的な方法がある。筆者らは最近の調査で、職場での片頭痛に関する26の学術論文を分析し、雇用主が従業員を支援し、生産性を最大化するのに最も効果的な方法を明らかにした。