2021年の調査でフォーチュン1000企業は、データ・AIへの投資の成果を測る主要指標で落ち込みを示している。

 伸び悩んでいるのは(後退しているケースも多い)、ビジネス資産としてのデータの管理、データ文化の構築、データとアナリティクスによる競争、データを活用したイノベーションの推進だ。革新的なビジネス成果を達成したと答えた企業は29.2%のみ、明確なデータ戦略を策定した企業は30.0%にとどまる。

 おそらく最も示唆的なのは、自社は過去1年間データドリブンであったと自認する回答がわずか24.0%であり、前年の37.8%から減っていることだ。意思決定プロセスにデータを取り入れる努力は、リーダーらが事前に考えていたほど実を結ばなかったことが、この数字に表れている。

 この遅々とした進展の根底には、何があるのだろうか。幹部らは5年連続で、データの取り組みをめぐる最大の障害は技術ではなく文化面の課題だと答えている。

 2021年の調査では、組織的連携、業務プロセス、変革のマネジメント、コミュニケーション、人材のスキル、変革への抵抗、変革への理解の欠如といった文化面の課題をめぐり、大手企業の92.2%が困難に直面し続けている。

 この数字は4年前にも80.9%とすでに高かったが、そこからさらに増えている。経営学の大家ピーター・ドラッカーがかつて言ったように、「戦略は文化の前には歯が立たない」のだ。

 こうした文化的な抵抗は必ず生じるわけではないが、おそらく予見できたはずだ。約10年前の2012年、エリック・ブリニョルフソンとアンドリュー・マカフィーは『ハーバード・ビジネス・レビュー』誌の論文で、ビッグデータは経営に革命的変化をもたらすと述べた。ではなぜ、ほぼ10年にわたりデータ施策に投資してきた後、企業はいまだにデータドリブンへの取り組みで苦労しているのだろうか。

 その一つの答えは、データドリブンになるためには時間、集中、コミットメント、粘り強さが求められるからだ。このような大規模なビジネス変革に必要な努力を最小限しかしない、あるいは必要な時間を正しく判断できない組織があまりに多い。