●ネガティブ感情を中和する

 最初にすべきは、自分の仕事を無意味に感じさせている根本的理由に対処することだ。その「犯人」の可能性が高いものの一つが、ストレスだ。

 たいていの場合、私たちは1日に数百回も「マイクロストレス」とディロンが呼ぶものを経験する。これは、ミーティング中に同僚があなたの話をきちんと聞かずに反論してきたり、仲間が締め切りに遅れたりする時に感じる小さないら立ちで、あなたの生産性や仕事に対する思いに影響を与える。

「こうした小さな傷は、通常なら吸収できる」が、ストレスの発散をする方法がなく、たとえば友人に会ったりジムで激しい運動をしたりできない「コロナ禍の時には、急激に傷が大きく広がり、より大きな痛みを伴う」という。「それゆえ、私たちはこれほどストレスを感じ」、自分の仕事は無意味だと感じてしまう。

 しかし、シンプルな解決策がある。「マイクロストレスがあなたを少しずつ蝕むのとは反対に『マイクロプレジャー』(小さな喜び)を持てば、立ち直る助けになる」と、ディロンは言う。

 自分が気分よく、元気になれる方法を探そう。実在の英雄の物語を読んだり、自然の中を散歩したりする。ズームで礼拝に参加したり、アートブックをめくってみたりする。あるいは、どこか遠くの写真を眺めるのもよい。

 ケレシは、一時的な「ニュース断ち」も勧める。いつも「ネガティブなニュースばかり見ていると、活力を使い果たし、喜びが奪われることによって、脳とウェルビーイングがダメージを受ける」という。

 ●謙虚になる

 新型コロナウイルス感染症とそれに伴う経済問題、そして不安定な政治状況が「甚大なダメージを与えて、自分が疲れ果てている」時に、仕事に意義を見出すのは難しいと認識することも重要だと、ディロンは言う。

 自分に休みを与えよう。その一方、この1年間にわたって困難が続いてきたことで、苦しんでいるのは自分だけではないと気づくことも重要だ。「世界中の人が厳しい状況を経験している」と彼女は言う。「思いやりを持つことだ」

 少し視点を変えるためには、「自分は一人ぼっちではないこと、そして自分はもっと大きなものにつながっていることを思い出させてくれるものを探そう」と、ディロンは助言する。時折、自己憐憫の念を抱くのは自然なことだが、「かわいそうな私」という感情に溺れてはいけない。

「自分の人生をどのように見るかが、人生のあり方を決める」と、ケレシは語る。陳腐に思えるかもしれないが、感謝の気持ちを伝える練習をすることは、避けることのできない苦難を中和するポジティブ感情への入り口になるかもしれない(詳細は後述する)。

 ケレシは、ナチスのホロコーストを生き延びたオーストリアの精神科医ヴィクトール・フランクルの言葉を心に留めるよう勧める。人間は「絶望的(と感じられる)状況に直面しても、生きる意味を見つけることができる」[編注]とフランクルは信じていた。