Illustration by Nia Winslow

燃え尽き症候群という言葉は広く知られるようになったが、あなたは部下が燃え尽きているかどうか見極めることができるだろうか。疲れ果て、何に対しても無気力になる「受動的な燃え尽き」の兆候に気づくことができなければ、自己破壊的な行動に出たり、感情を爆発させてネガティブな影響を周囲に及ぼしたりする「能動的な燃え尽き」に発展させてしまうおそれさえある。さらにそれぞれの症状には見つけにくい「内的」なものと、見つけやすい「外的」なものがあると筆者らは指摘する。本稿では、4つに分類した燃え尽きの特徴を解説し、リーダーはどのように対処すべきか、具体的な戦略を提示する。


 2020年の決定的な特徴は、不確実性だった。そして、同時にやってきたのが、記録的なレベルの燃え尽き症候群(バーンアウト)だ。

 これに対処しなければ、個人にも組織にも大きなコストとなる。2019年の調査では、仕事で燃え尽きた従業員は、そうでない従業員と比べて、転職を考える可能性が2.6倍高かった。また、米国では連邦政府予算に占める医療費のうち最大8%が職場のストレスに関連しているという推計もある。

 燃え尽き症候群が感情的、肉体的、精神的に疲労困憊した状態であることは、ほとんどの人が理解している。だが、従業員間に燃え尽き症候群が生じているかを特定するために、ビジネスリーダーが採用している方法には欠陥があることが多い。

 企業は、年1回実施するウェルネス調査で燃え尽き症候群の傾向を測定しようとする。しかし、この手法には重要な限界がある。

 第1に、こうした調査は「受動的な燃え尽き」だけを確認しているため、「能動的な燃え尽き」が見落とされている。第2に、この手法はその時点の状態を調べるもので、従業員が実際に激しい燃え尽きを感じているタイミングではない可能性がある。第3に、燃え尽きを経験している従業員はウェルネス調査を受けないことが多い。

 従業員のウェルビーイングに関する研究および100人以上の専門職を対象にした聞き取り調査の結果から、筆者らはマネジャーや従業員が燃え尽き症候群の初期兆候を見つけるのに役立つ、より包括的なモデルを開発した。

 この行動フレームークは、悲しみや疲れなどの低覚醒感情に起因する「受動的な燃え尽き」と、いら立ちや苦悩などの高覚醒感情に起因する「能動的な燃え尽き」の両方を包括する。筆者らはまた、見つけにくい「内的症状」と、見つけやすい「外的症状」を区別している。