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コロナ禍でリモートワークが浸透した結果、働く親が担うさまざまな役割の境界線は消滅した。在宅で働き、職場で生活する。瞬時に何者かにならなくてはいけない日々に、自分のあるべき姿を見失い、疲弊してはいないだろうか。優先順位が大きく揺らぐ中では、みずからの価値観を明確にし、それを体現する適切な方法を見出すことが欠かせない。本稿では、コロナ疲れから脱却して前進するために、人生の主要領域のそれぞれに、自分の価値観に合わせて注力するための具体的なステップを紹介する。


 我々が知っている多くの働く親と同じように、あなたも途方に暮れているのだろうか。

 この1年間で価値観や優先事項が大きく変わったにもかかわらず、日々の暮らしは変わらず、昔ながらのルーチンと疲労感と罪悪感のサイクルの果てしない繰り返しで、最も大事なことと噛み合わなくなっている。もしそう感じているとすれば、それはあなただけではない。

 筆者らは、共著Parents Who Lead(未訳)を刊行してからの9カ月の間、新たな自分らしさをつくり出そうとしている働く親たちと深く関わってきた。

 新型コロナウイルス感染症による世界規模のパンデミックの中で、働く親として大きな制約を受けながら働きつつも、自分の人生をみずからコントロールしていると実感でき、それぞれが理想とする父親像、母親像に近づけることを、我々は目の当たりにしてきた。

 もちろん、万人に有効な解決策は存在しない。あらゆる家族が異なり、それぞれが生まれ育った家庭とこれまでの人生の軌道によって形づくられているうえに、現在の状況下でどのくらいの安心感や支援があるのかも千差万別だ。

 しかし、現時点において適切な選択をすることは可能である。さまざまなことが変化し、何もかもが異なるいまの状況で、この問題に正面から取り組み、共感と多くの勇気を持って、何が大事なのかを明確にするのがよい。

 パンデミックの中であなたが取り組める、いくつかの具体的なステップを以下に挙げよう。これらは、誰もが自身の価値観に沿った人生を築けるよう、我々が数十年にわたって行ってきた研究や実践に基づいたものである。

 人生には、コントロール不能な制約が数多く存在することを私たちは知っている。たとえば、子どもの学校が遠隔授業を行うかどうか、あなたには決められないだろう。それでも、その重要性に気づきつつある価値観と自分が日々注意を向けているものを調和させる機会を拡充することはできる。