『WILLPOWER 意志力の科学』というロイ・バウマイスターとジョン・ティアニーが書いた本を読むと、自分は「決断疲れ」の状態にあることがわかった。やることリストが、延々と続いていたのだ。

 そこで、藁にもすがる思いで、毎日その日に集中すべき2つか3つのことを、名刺サイズのインデックスカードに書き出すようにした。「今日は〇〇に集中」というフレーズのおかげで、山のようにあった「できたらやること」「やるべきこと」リストから、「絶対にやること」を切り出すことができた。

 この習慣が、永遠に「次にやるべきこと」が見えずにもやもやしていた気持ちを吹き飛ばし、巨大プロジェクトを単純なタスクに落とし込んでくれた。そして、日常に安定が戻り始めた。

 迫り来る本の締め切りは「500語書くこと」に、大きなデザイン変更に関する関係者会議は「3人の経営幹部に出席してもらい、フィードバックを求めること」に、幻の運動療法は「昼食時に10分散歩すること」になった。

「今日は〇〇に集中する」

 そのうち1ドルショップで100枚入りのインデックスカードをパックで買うようになり、1パック使い終わるたびに誇りのようなものを感じるようになった。

 この習慣のおかげで、決断疲れは目に見えて軽減したが、ネガティブなことばかり考える癖はその後も続いた。数カ月後、ある研究を見つけると、それが自分のせいではないことを知った。

 それはどういうことだろうか。