Illustration by blindSALIDA

仕事が終わらず、やることリストが増えていく。睡眠不足に陥り、ネガティブな思考に囚われる。にもかかわらず、何をどう切り替えればいいかわからない。それは、自己啓発書がベストセラーになったことで、突如としてメディアの注目を浴びた筆者も同じだった。華やかな表舞台とは裏腹に、深刻な感情の問題を抱えていた筆者は、いくつかの研究結果から日々の生活をポジティブに変える方法を編み出していく。毎日をより幸せに過ごすための朝2分の習慣とは、どのようなものだろうか。


 私は、2010年代初めに出版した自己啓発書がきっかけで、突然、未知の世界に放り出された。それまで郊外で会社員として働いていたのが、テレビ番組に呼ばれて「キャプテン・オーサム」「ザ・ハッピーガイ」などと紹介されるようになった。いつの間にか、ポジティブ思考や幸福、意識の高い生活のスポークスパーソンに仕立て上げられていた。

 だが、一つだけ問題があった。肝心の自分の人生が、窮地に陥っていたからだ。

 その本は、もともとブログの記事として書いたものだった。結婚生活が破綻した苦しみと、親友を自殺で失った心の傷を癒すためだった。私はダウンタウンの独身向けアパートに引っ越し、人生で初めて一人暮らしを始めた。そして、深い孤独と慢性的な睡眠不足、絶え間ない不安に悩まされるようになっていた。

 そうした深刻な感情の問題に対処する方法は、仕事人間になることだった。郊外で丸一日仕事をした後、ダウンタウンに戻る途中でブリトーを買い、家のデスクでそれを食べながら、夜中の1時か2時に疲れ果てて寝落ちするまで仕事をした。そして翌朝6時に疲れ果てたまま、目覚まし時計の音で目覚めるのだ。

 そのうち、眠るための薬と目覚めるための薬を飲むようになった。ストレスで体重が18キロ落ちた。一日中、頭痛と動悸と胃泡に悩まされ、目の下のくまが少しずつ水たまりのように広がっていった。仕事仲間に睡眠を十分に取っているかと聞かれるようになったので、化粧品を買ってメイクをし始めた。

 自分には、睡眠を増やすための時間も、そのことを心配してもらう余裕もなかった。

 私は高速で空回りしていた。