集中力

 あなたも聞いたことがあるのではないか。「私たちが住む世界は、我々の注意をよそに向けさせるように設計されている」

 私たちの「注目」は、極めて高い価値を持つ商品になった。ネットフリックスのような会社は、最大の競合は睡眠だと言うようにさえなっている。生産性という病は広がり、私たちは「忙しい」ことがデフォルトになった。

「空き時間で外国語を習おう」「新しい趣味を始めてみよう」と促すメールを、あなたは何度受け取ってきただろうか。生産性を求められる重圧の中で、私たちは起きている時間をすべて何かで埋めている。それは、忙しく過ごすためのアクティビティを探すことかもしれないし、スマートフォンを見て時間を過ごすことかもしれない。

 しかし、常に何かを行い、そこに注意を向けていては、本当に大切なことを避けてしまう。気分転換は、良い感情と悪い感情(退屈や悲しさを含む)のどちらも受け入れる心のスペースを奪うのだ。

 集中力を養うことは、忙しさという終わりのないホワイトノイズから距離を置く方法を学ぶことである。自分の意識を置くスペースをつくり、思考を明確にして、自分にとって何が本当に重要かを判断する。そうすれば、それらを日常生活にもっと織り込むことができる。

集中力を高める方法

 1週間だけでも「忙しい」という言葉を使わないようにする。それが自分のマインドセットや行動、他者とのつながりにどのようなインパクトを与えるかを観察してみるのがよい。

 筆者は2年前に実践して、人生が変わった。「調子はどう」と聞かれ時に「とても忙しい」と返すのではなく、「◯◯をすることに積極的に関わっている」と答えることにした。

「忙しい」という言葉から開放されることで、自分の行動に当事者意識を持ち、意志を持って説明する第一歩になる。「いろいろなタスクや雑用で疲れ果てている」と言うのではなく、「これら3つを選択して、自分の時間と生産性を投資している」というマインドセットに移行するのだ。

 そうすることで、「こんなにやるべきことがある」とやることリストに圧倒されるのでなく、「本当に重要なことに取り組んでいる」と自分の時間をみずからコントロールできていると感じる助けになる。また、他者にとって何の役にも立たない言葉や、それ以上に自分の不安や孤独、自己承認欲求や取り残されることへの恐れ(FOMO)を露呈する言葉を口にしなくなる。