どうしたら改善できるか

 このように、背伸びをして無理な目標を立てることにメリットはあるが、失敗した時の対応を考えておく必要がある。目標を達成できなかった時に落ち込まないための方法をいくつか紹介しよう。

 ●小さな成功を喜ぶ

 小さな成功の積み重ねは力になるため、プロセスを否定してはいけない。「今年は本を36冊読む」と目標を立てたのに10冊しか読まなかったとしても、それは自分に変化を起こし、よりよい方向に向かって行動する力があることを十分に証明している。

 これは「進捗の法則」として知られ、前進することがポジティブな感情や強力なモチベーションを生み出し、生産性の上方スパイラルを後押しすることを表している。何かしらの成果を得られたのだから、喜ぼう。

 ●失敗を引きずらない

 目標に向かって努力した道のりを振り返り、うまくいったこと、いかなかったことについて考える。あなたは、何につまずいたのだろうか。改善のための具体的なアクションを洗い出してみる。そうすれば、やる気と自信が湧いてくる。

 自省の大切さは、目標に向かって努力する中で、有益だったことは何か、助けが必要だったことは何かを知ることにある。たとえば、SNS断ちをしたおかげで勉強に集中することはできたが、長い間、人と接触せずに孤立した状態になるのは嫌だと感じたかもしれない。

 自分にとって何がよく、何がよくなかったかを知ることで、次の目標をより戦略的に立てることができるようになる。

 ●偶発的・間接的な利益に目を向ける

 目標は完全には実現しなかったかもしれないが、得るものがなかったわけではない。難しい目標に挑んだことで、思いがけない恩恵が生まれることがある。

 たとえば、ダイエットのために運動したことで、気分が向上し、頭の回転がよくなったかもしれない。その結果、別の領域でのパフォーマンスが向上したかもしれない。

 ●客観的に分析してもらう

 失敗した本当の原因を知ることが必要だ。簡単な方法の一つとして、友人や家族に事後分析を依頼することができる。

 たとえば、学問上の目標を達成できなかった理由を、友人は正直に教えてくれるだろう。「勉強しない言い訳ばかりしていた」あるいは「ポッドキャストを聴いてばかりで、本を読まなかった」という具合だ。自分自身をより理解するために、信頼できるソースによるリアリティチェックを活用しよう。

 ●第三者の知見を取り入れる

 最後のアプローチは、最初の段階で達成見込みを判断するのに役立つだろう。人は必ずしも、達成できそうかどうかの判断材料をすべて揃えたうえで、目標を立てているわけではない。

 たとえば、その学問上の目標を達成するには、1日X時間勉強し、Y量の研究資料が必要だったというデータがあったとする。前回はXやYが足りなかったならば、次にその目標に挑む時には、少なくともそれらを満たす必要があるだろう。

***

 今年もまた、高すぎる目標を立てた人がいるかもしれない。だが、もしそうなら、本稿で紹介した方法を用いることで、失敗した時にうまく対応できる。問題は目的地ではない。成功へ向かう道のりを、最大限有益なものにすることが大切なのだ。


HBR.org原文:Why We Set Unattainable Goals, January 04, 2021.