1. ジェンダーバランスと年齢バランスを知る

 従業員構成の変化をサポートするには、まず、実態を認識する必要がある。年齢別、ジェンダー別の従業員構成を明らかにし、今後予想される変化を明確化するツールをマネジャーに提供することを検討しよう。

 筆者のクライアントの多くは、チーム、部門、あるいは地域ユニットごとにジェンダーバランスや年齢バランスを描いたシンプルな図表を見るだけで、驚くほど多くのことに気がついた。

 これらのデータを分析して、特定の役割、部門、あるいは地域に、特定のジェンダーや年齢の従業員が集中していることが明らかになれば、それはダイバーシティを改善するチャンスになる。

 ジェンダーと年齢を結びつけてみることも、この2つの要因がしばしば相互に関連していることを理解し、チーム全員をより効果的にサポートする方法を見つける助けになるだろう。

 この10年間、ジェンダーバランスに積極的に取り組んできた企業の多くにおいて、20~30代の女性従業員の割合が大幅に上昇してきた。だがその一方、50歳以上の従業員では、依然として男性の占める割合が圧倒的に大きい。

 そうした状況下で、女性従業員の多くが子どもを持つことを検討し始める中、彼女たちが仕事を控えるよう強いられていると感じないように、経営陣は努力する必要がある。さもないと、せっかく改善したジェンダーバランスが大きく後退しかねない。

 また、このような従業員構成の企業では、おおむね男性が占める高年齢のマネジャーが、はるかにジェンダーバランスの取れた若い世代のコーチングやトレーニングを担当していることになる。

 経営陣はこの2つの知見に基づいて、マネジメントに関わるイニシアチブについて、ジェンダーや年齢といった属性にかかわらず、すべてのスタッフがキャリアの成功を収められるように設計することができる。

 筆者は以前、あるクライアント企業と協働して、マネジメント能力開発プログラムの参加者の年齢とジェンダーを慎重に調査した。その結果、プログラムによって参加者の属性が大きく異なるため、画一的なダイバーシティ改善の試みは逆効果であることがわかった。

 そこで詳細な分析を進め、経営陣が求める水準を達成できていないプログラムを見極め、目標を絞った戦略を策定した。