その瞬間に集中する

 ある緊迫したシーンで、舞踏家の一人が襟につけていたマイクを落としてしまったことがある。それに気がついた共演者が、咄嗟の判断でマイクを拾い上げ、「不器用なんだから」というコミカルなシーンを即興でつくり、彼女に手渡した。この小さなジェスチャーのおかげで、その舞台は何の混乱もなく続けることができた。

 バーチャルな会話でも、その瞬間に意識を集中させ、「共演者」に気を配ることが重要だ。舞台では、大勢の演者がステージに立っていても、台詞を話すのは順番だ。しかしだからといって、自分の台詞がない時に別のことを考えたり、スマホをチェックしたりする俳優はいない。全員が共演者の台詞に注目して、互いの演技を高めあう。

 ●しっかりと耳を傾ける

 ほかの人が何を、どのように言っているか、しっかりと注意を払うこと。アクティブリスニングとは、相手の話の内容だけでなく、話し方にも注意を払うものだ。相手は興奮しているのか、緊張しているのか、あるいは自信がないのだろうか。こうした手がかりを見つければ、適切な返答をする助けになるだろう。

 ●会話を構築する

 新しいアイデアが提案されたら、自分も何か価値を高める提案ができないか考えよう。重要なのは、延々と話すことではない。付加価値を与える発言をして、会話を前に進めることだ。他人の発言に注意を払っていないと、内容が重複する発言をしかねない。

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 リモートワークが一時的なものでなく、今後さらに定着していくことは明白になりつつある。本稿で紹介したテクニックがあれば、たとえ画面上であっても、自分の最良の姿を映し出すことができるだろう。


HBR.org原文:How to Shine in the (Virtual) Spotlight, October 02, 2020.