声を整える

 役者や歌手は、舞台の前に喉のウォーミングアップをする。ほかの筋肉と同じように、声帯もリラックスさせる必要がある。喉のウォーミングアップをすると、喉頭への血流がよくなり、声のトーンやピッチを調整する筋肉がほぐれて、声の質がよくなる。これは、オーディエンスの注目を浴びるうえで極めて重要だ。

 画面上では全身が見えないため、音声があなたの評価を大きく左右する。自分の声で、興奮や誠実性、緊張、あるいは不安を伝えられるかどうかが、オーディエンスの反応に大きな影響を与えるのだ。抑揚のない単調な声は、コミュニケーションを台無しにし、オーディエンスを失うことになりかねない。

 ●早口に注意する

 もともと早口になりがちな人は、特に緊張している時には、ゆっくり話す練習をして、聞き手があなたの話についていけるようにしよう。これは鏡の前で練習することができるし、自分で録音して確認することもできる。

 ●声のピッチに気を配る

 ピッチとは、話す時の声の上がり下がりだ。心電図をイメージして、声の抑揚を調整しよう。声を低くしていき、これ以上下がらないところまできたら、今度は声をできるだけ高くして、甲高い声を出してみよう。誰でも、高い声と低い声の両方を出せるはずだ。

 オンライン会議では基本的に低い声で話し、高い声を出すのは驚きや承認を表現する時などに限定しよう。長時間、甲高い声を聞き続けるのは不快なものだ。

 プロのアドバイスとしては、筆者らはいつも舞台に上がる前に、ハチミツ入りのお湯を飲んで、喉の筋肉をほぐしている。これは誰でもできるはずだ。ハチミツ入りのお湯を飲んでおくと、声のピッチを調整しやすくなる。

 ●音量を調整する

 オンライン会議の前に、デバイスの音量をテストしよう。音が大きすぎる場合は、デバイスに直接話しかけないようにする。逆に、よく聞こえない場合には、デバイスを近くに持ってくる。ノートPCとオンライン会議用のアプリには通常、音量をテストする機能がついているので、試してほしい。

顔の表情を豊かにする

 ボディランゲージは、何よりも雄弁な意思伝達の手法だ。インドに伝わる演劇の理論書『ナーティヤシャーストラ』やインド古典舞踏の聖典『アビナヤダルパナ』には、顔の表情は感情や気持ちを伝える、あるいは高める助けになると書かれている。ジェスチャーやアイコンタクトといったボディランゲージは、人によって受け止められ方が異なる場合があるが、幸福や嫌悪感、怒り、驚きの表情は普遍的だ。

 オディッシーの舞踊家は、音楽や場面のさまざまなニュアンスを表現できるように訓練されている。まばたきのような小さなジェスチャーを使うことも多い。目の動きだけでも「その場の雰囲気」を伝える助けになるからだ。古典舞踊家は、何年もかけて顔の表情を習得する。表情が自然に見えるように、自分でコントロールできなくてはならない。

 ●アイコンタクトを維持する

 視線をあちこちに動かすと、相手はあなたが注意を払っていない、あるいはほかのことを考えていると受け止める可能性がある。実際、オンライン会議では、スラックの通知が入ったり、ポップアップメッセージが表示されたりして、気が散りやすい。こうした表示をオフにして、オンライン会議に集中しよう。

 ●顔の表情に注意を払う

 表情は、オーディエンスがあなたの思考や感情に共感する助けになる。あなたが唇を噛んだり、カメラから目を逸らしたりするのは緊張しているサインで、頷いて微笑んでいれば、それは承認のサインと受け止められる。オンライン会議で、あなたの表情がどのようなストーリーを伝えようとしているか考えてみよう。