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コロナ禍で多くの仕事がオンラインに移行したが、いまなお試行錯誤が続いている。それは、インドの古典舞踊家である筆者らも同じだった。舞台やワークショップをオンラインに移行したものの、手足が画面に入りきらず、照明が暗くて表情もはっきりしない。そこで思い至ったのが、舞台芸術の手法をオンラインに適用することだ。自分を明確に映し出し、発声を整えて、顔の表情を豊かにする。そして、舞台に立つのと同様、その瞬間に集中することがバーチャルの世界でも極めて有効だという。そのための具体的な手法を紹介しよう。


 インドの古典舞踊オディッシーは観客を前にして、身体の動きや表情、ジェスチャーによって物語をドラマチックに表現する。

 筆者の2人はともにオディッシーの舞踏家であり、舞踊活動と後進の指導をしている。その一方で、マネジャーやエグゼクティブ向けのワークショップを行うリーダーシップ開発アドバイザーでもある。

 意外な組み合わせだと思うかもしれなが、どちらも力強いプレゼンテーションによってオーディエンスに関わる仕事だ。人前に立つこと、そして時に舞台でオーディエンスの前に立つことは、非常に力強い経験だ。

 しかしこの半年間、多くの人たちと同じように、我々も仕事の場をオンラインに動かさなければならなかった。この移行は困難を極めた。

 それまでオーディエンスの注目を浴びるために使ってきた手法、たとえば空間や音声、場面の操作をオンライン向けに調整するのは大変だった。準備に何時間かけても、後から舞台やワークショップの映像を見ると、手足が画面に収まっておらず、表情もはっきりと見えない。照明が暗すぎることもあった。

 だが、何回も失敗を重ねていくうちに、ようやく気がついた。舞台で輝くために使っていた手法を、バーチャルの世界でも使えばよいのだ、と。そして実際にやってみると、オンラインでも力強いプレゼンスを示すことができた。

 そうした手法の根底にあるのは舞台芸術だが、オンラインプレゼンテーションの質を高めるうえでも、極めて有効であることがわかった。しかも、誰でも駆使することができる。