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新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、小売業のオンライン販売が成長を続けている。激化する競争を勝ち抜くうえで、カスタマーレビューが高評価であることは大きな価値を持つ。それゆえに、販売者が偽のレビューを投稿することも珍しくない。偽レビューは商品・サービスの売上げをどの程度左右するのか。筆者らが調査した結果、その効果と限界が見えてきた。


 2020年4月から6月の間に、米国のeコマース市場は44.4%増という記録的な成長を遂げた。新型コロナウイルスのパンデミックに直面して大企業も中小企業もオンライン販売にシフトする中、この市場は今後も成長を続けるだろう。

 eコマースを機能させるため、アマゾン・ドットコムなどのプラットフォームには、消費者が自信を持ってオンラインでの購買決定ができる評価とレビューのシステムが必要だ。

 しかし、これらのレビューは通常、検索順位のアルゴリズムにおける重要な要素で、商品の認知度や売上げに大きな影響を与える。それゆえに、そのシステムが、販売者が偽のレビューによって商品の順位を操作する強力な動機を生むことも少なくない。

 この問題に対処するため、多くのプラットフォームは、明らかな偽物のレビューを識別して削除する自動ツールを開発している。たとえば、イェルプは独自のアルゴリズムを使ってレビューの約16%を削除している。しかし、販売者が偽レビューを作成する方法を巧妙化させるにつれ、プラットフォームが偽レビューを根絶することがますます難しくなっている。

 問題の規模や企業がどう対処できるかを深く理解するため、筆者らは10カ月にわたる調査を実施し、偽レビューがどのようにつくられ、それが販売者、購入者、プラットフォームにどのような影響を与えるかを調べた。

 調査の結果、偽レビューのための大規模で活発な市場が存在することがわかった。偽レビューを得るための最も一般的な仕組みの一つは、フェイスブックのプライベートグループを介するものだ。

 販売者はこれらのグループを使い、製品を購入して本物のように見える5つ星のレビューをつける人々を募集。その後、ペイパル経由で商品の料金、税金や手数料、そして場合によっては5~10ドルのコミッションを支払う。これらのグループは時々削除され、即座に同じような新しいグループに替わることもあった。

 筆者らは、カリフォルニア大学ロサンゼルス校の学部生のチームとともに偽レビューの市場に潜入し、観察して、販売者がレビューを募集している商品のデータを収集した。それと並行して、アマゾンでのそうした商品の評価やレビュー、売上げランキング、価格、広告戦略などのデータを収集した。

 販売者が偽レビューの募集をいつ始め、やめたのかを正確に観察し、その活動を商品の販売データと比較したことで、短期と長期の販売向上という点での偽レビューの効果を測定することできた。