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自身が多くを学び、成長するには、フィードバックをもらうことが不可欠だと考えていないだろうか。だが、実際にフィードバックがパフォーマンスに影響を与えることは少なく、むしろネガティブな影響を及ぼすことさえある。なぜなら、フィードバックが過去の行動、とりわけ失敗したことやうまくできなかったことに焦点を当てているからだ。重要なのは未来に意識を向けることであり、そのためにはフィードバックではなく、アドバイスを求めることを筆者は推奨する。本稿では、最高のアドバイスを手に入れるための4つのコツを紹介する。


 何年も前の話だが、私は「これこそ、天職だ」と思った仕事に応募したことがある。最終選考まで残り、面接ではプレゼンテーションを行った。プレゼンテーションを終えた私は、フィードバックを求めた。「いかがでしたか」

 返ってきたのは、極めて批判的で、実行に移しようのないコメントだった。私はすっかり自信を喪失し、部屋を後にした。結果は言うまでもなく、不合格だった。

 私は仕事を始めてからずっと、フィードバックを求めるのは必要不可欠なことだと信じ込まされてきた。そうするからこそ、学習し、成長できると言われているからだ。

 ところが、調査によれば、フィードバックが実際にパフォーマンスに影響を与えることはほとんどない。それどころか3分の1以上の割合で、パフォーマンスにネガティブな影響を与えている

 女性の場合には、特に役立たないことが多い。スタンフォード大学教授のシェリー・コレルとキャロライン・シマードは、ハイテク企業3社およびプロフェッショナルサービス企業1社における200件以上の人事考課を分析した。その結果、男性に比べて、女性が受け取るフィードバックはビジネスの成果に結びつく可能性が低く、曖昧で実践に活かすのは難しい場合が多いことが明らかになった。

 なぜ、フィードバックの効果はそれほど薄いのだろうか。その主な理由は、フィードバックがその名の通り、後ろ向きだからである。

 フィードバックを与える側は、過去の出来事に焦点を定め、あなたの過去の行動(年次の業績評価、直近の四半期の営業成績、プレゼンテーションの出来など)を振り返る。そのため、今後の仕事のやり方ではなく、過去の失敗やうまくいかなかったことしか言われないため、未来に意識を向けるのが難しくなってしまう。フィードバックが行動に結びつかないのは、こうした理由からだ。

 それがどのような仕組みで起きるのか、ハーバード・ビジネス・スクールの研究が明らかにしている。ある調査実験では、被験者200人に家庭教師の求人への応募書類を見せて、意見を述べてもらった。具体的には、カバーレターに対して「フィードバック」または「アドバイス」のどちらかを求めた。

 フィードバックを求められた被験者は、曖昧なコメントをしたり、一般的なほめ言葉を述べたりするケースが多かった。たとえば、「この応募者は応募資格をほぼ満たしているようです」という具合だ。

 これとは対照的に、アドバイスを求められた被験者のほうが、重要かつ実行可能なコメントを残した。たとえば、ある評価者は「応募者は、自分の指導スタイルを説明して、そのスタイルを採用している理由や7歳児の教育で何を究極の目標としているかを書き添えたほうがよい」と提案した。

 具体的な数字では、アドバイスを求められた被験者のほうが、カバーレターの改善方法を34%、一般的な改善方法を56%多く提案した。

 研究チームの仮説によれば、アドバイスを与えるほうは、指導を必要とする相手がこれから実践できることを考えようとする。そのため、アドバイスを求められると、その相手が向上するために実践できることをじっくりと具体的に考える確率が高まるというのである。

 もちろん、仕事を始めたばかりの場合は、自分がどこで失敗し、何が足りなかったのかを知るべきだろう。だがそれよりも、どのようにすれば改善し、向上できるかを知ることのほうが重要だ。

 だから、フィードバックではなく、アドバイスを求めるようにしよう。そして、できる限り最高のアドバイスを得るためには、以下の4つのコツが役立つだろう。