HBR Staff/Mariia Demchenko

先が読めない状況が続くと、視野が狭くなり、これまでのやり方にしがみつこうとしがちだ。しかし、不確実性の高さは悪いことばかりではない。その状況をうまく利用できれば、あなたのキャリアを切り拓くチャンスにもなる。自力で物事を完全にコントロールできるという幻想を剥ぎ取られることで、多様な選択肢に目を向けやすくなるのだ。本稿では、不確実な状況を活用して、あなたのキャリア戦略を見直すための5つの戦略を提示する。


 不確実性の高い時代には、人は安全な場所に引きこもり、これまでのやり方にしがみつこうとする傾向がある。視野が狭くなって、目先の切実な意思決定にばかり意識が向くようになる。

「家族の安全と健康をどうやって守ればよいか」「上司に満足してもらうには、どうすればよいか」「どうすれば、少しでも早く次の就職先を見つけられるのか」といったことしか考えられなくなるのだ。

 こうして精神のゆとりを失った人は、時として長期的な問題について考える時間とモチベーション、エネルギーを見出すことが難しくなる。

 不確実な状態が長く続けば、言うまでもなく、人は大きな試練にさらされる。しかし、悪いことばかりではない。そのような時期は、未来への戦略を立てるチャンスでもある。

 物事を完全にコントロールし、すべてを事前に予測することなど、そもそも不可能だ。それができるというのは幻想にすぎない。その点、不確実性の高い状態に放り込まれた結果、その幻想を剥ぎ取られた時、人は多様な選択肢が目に入るようになる。

 不確実な状況をうまく利用すれば、キャリア戦略を全面的に見直すこともできる。本稿の筆者2人は、コンサルタントおよびリーダーシップ・コーチとし活動してきた経験をもとに、そのために誰もが活用できる5つの戦略を提唱している。