そこで筆者は、この論理に基づき、人前で話す前に行っている習慣を見直して、自分の興奮状態に意識を向けることにした。以下にその習慣を紹介しよう。

(1)小休止して、深呼吸する:数分間、精神統一の時間をつくる。鼻から息を吸い、口から息を吐く。

(2)自分にとって重要である理由を思い出す:このスピーチ、このテーマ、あるいはこの聴衆が、なぜ自分にとって重要なのだろうか。この機会、そしてそれによって他者に与えるポジティブな効果について、自分がどれほど喜び、興奮しているかを声に出して自分に言い聞かせる。

(3)プレゼンテーション全体を視覚化する:プレゼンテーションの最初から最後までを、頭の中で視覚化する。驚くほどうまくいっている様子をイメージするのだ。

(4)自分にポジティブなエネルギーを与えてくれる曲を聴く:自分を笑顔にしてくれる曲を聴く。子ども時代に聴いた曲でもよいし、最近聴かずにはいられない曲でもよい。 

 スピーチやプレゼンテーションの前に必ず、習慣としてこれらに取り組むと、緊張に妨げられるのではなく、そのエネルギーを利用できるようになる。そうすれば、インパクトのある力強いパフォーマンスに自分の神経を向けられるようになる。 

 筆者は最近、ハーバード・ケネディ・スクールの授業で、緊張を興奮にリフレーミングした女性の話を学生にした。数週間後、ある学生がクラス全員の前で、成績審査の対象になるスピーチを行うことになった。彼は教室の前へ出て、マイクを手に取ると「なんて素晴らしい!」と叫んだ。彼のスピーチは、緊張にもかかわらず、素晴らしいものだった。


HBR.org原文:The Upside of Your Public Speaking Jitters, November 06, 2020.


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