『DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー』では毎月、さまざまな特集を実施しています。本稿では、最新号の特集テーマ「組織のレジリエンス」への理解をさらに深めていただけるよう、関連する過去の論文をご紹介します。

 DHBR2021年2月号の特集テーマは「組織のレジリエンス」である。

 コロナ禍の影響は甚大であるが、予期せぬ危機によって事業環境が激変したのはこれが初めてではない。幾多の危機に襲われながらも、その状況をチャンスに変えて成長している企業には共通項がある。本特集では、リスクとどう向き合い、乗り越えていくか、組織のレジリエンス(再起力)を高める方法を提示する。

 コロナ禍で多くの企業が苦戦を強いられる中、アイリスオーヤマはいち早くこの危機に対応し、売上げを伸ばしている。同社はこれまでもバブル崩壊や東日本大震災など幾多の危機を乗り越え、いずれも成長の機会に変えてきた。

 大山健太郎会長は「会社の目的は永遠に存続すること。いかなる時代環境に於いても利益の出せる仕組みを確立すること」という理念を掲げ、それを形にしている。環境変化に飲み込まれることなく、ピンチをチャンスに変えられる組織をどのようにつくり上げたのか。

「会社の目的は永遠に存続することである」では、「仕組み至上主義」の徹底を通じて、刻々と変化する消費者ニーズを迅速かつ的確にとらえて利益を上げ続ける大山氏に、その経営哲学を語ってもらった。

 グローバル規模で疫病が広がり、ヒト・モノ・カネの動きがこれほどまでに制限を受けることになろうとは誰もが予想できなかった。だが、まったく予期されていなかった危機により、事業環境が大きく変動したのはこれが初めてではない。

 過去を振り返れば、幾多の危機が襲いながらも、その状況をチャンスに変えて永続的に成長し続けている企業がある。そのような「レジリエント・カンパニー」には共通項がある。

「永続的に成長するレジリエント・カンパニーの条件」では、マッキンゼー・アンド・カンパニーによる金融危機後のマクロ分析、世界17社の永続的企業の研究、約20年にわたる2000社の組織健康度調査を踏まえ、現在の危機を乗り切り、来るべき次の危機にも備え、永続的に成長を続けるアプローチを明らかにする。

 コロナ禍のように、リスクの中には、あまりに現実離れしていて、人々の予見能力や想像を超えるものがある。こうした「未知のリスク」には、標準的な戦略では対抗できない。しかし、打ち手はある。

「『未知のリスク』にいかに対処すべきか」では、この種のリスクの重要な特徴を明らかにし、発生を検知する方法を提示したうえで、経営資源やケイパビリティを駆使して、リスクが顕在化した時の影響を軽減する方法を論じる。

 成功している組織にはたいてい文化に根付いた業務手順があるが、不確実な状況や危機下ではどうしても崩れがちになる。そこで、次の危機に見舞われる前に、既存の業務プロセスを細部まで体系的に見直し、代替案を試しておくのが賢明だ。

「組織のレジリエンスを高める方法」では、業務遂行の3つの手法──ルーチン、ヒューリスティックス、即興──を臨機応変に組み合わせ、使いこなすためのヒントを紹介する。

 危機に対応できなかったリーダーは、えてして、先の見えない時代には当てずっぽうで飛ぶしかないと言い訳する。一方、同じ混迷の中で、進むべき方向を正確に把握し、変化に素早く対応しているリーダーもいる。

「危機に強い組織はアナリティクスに投資する」で示されるように、その際に有用なのが、アナリティクスである。ただし、その能力は一朝一夕にはつくれない。組織としていかに蓄積していくかが重要である。