(3)コーチを雇う

 外科医、著述家にして公衆衛生の革新者アトゥール・ガワンデによる2017年のTEDトーク、「達人になりたいなら、コーチの指導を受けよう」が、このアプローチの方向性を示している。

 私たちは誰もが、独力でやろうと試みると行き詰まりやすい。そして最も重要な点として、自分の行く手をみずからじゃましていることに気づかない場合が多々ある。気づいたとしても、それを解消する方法がわからない。

 フランチェスカ・ジーノはHBR論文の中で、ピクサーにいる2人の主任コーチの一人、ジェイミー・ウルフがチームをどう支援しているかについて述べている。チームメンバーがみずから設けている障壁に気づいて対処できるよう、彼女は思考を広げる後押しをしている。

(4)対人スキルの実習に参加する

 バージニア大学ダーデンスクール・オブ・ビジネスのジム・デタートとボビー・パーマーは、対人スキル研究所(ISL)を創設した。

 ここでは演者とペアを組んだ個人を、リアルで困難な意思決定シナリオに没入させる。その後、録画と生理学的データを用いて客観的なフィードバックを提供する。参加者はリーダーシップを発揮していく過程で、気まずさと不安を感じる(そうなるよう意図的に仕組まれている)。

 ISLが提供する直感的な発見の場は、若手・熟練を問わず受講者を惹きつけることにデタートは気づいた。参加者の報告によれば、録画された自分の姿を見て、自身の間違いに直接向き合うことは、非常に大きな驚きの瞬間であるという。

 ある参加者は、大声でこう言った。「私は数分前、録画された自分を初めて見ました。(中略)その時には一つの方向で考えていたけれど、いま見直すと、自分がいかに間違っていたかに気づかされます」

 参加者は意図的にストレスを誘発され、その後にコーチングを受ける。自己発見へと至る早さ、そして新しいアプローチをリアルタイムで試す機会が、自己認識とスキル向上を促進している。

 ディスカッション型と体験型のプログラム、そして個人とチーム単位での訓練を天秤にかけて判断することで、マネジャーは自分自身や自分が属する経営陣に最適なアプローチを選ぶことができる。企業がリーダーの盲点を減らせば、不透明かつ相互依存的な世界で成功するための能力を高めることになる。


HBR.org原文:Don't Get Blindsided by Your Blind Spots, November 05, 2020.


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