●自分のプロセスを教える

 リーダーの多くはストレスと向き合うのに役立つ対処メカニズムを持っている。たとえば、これでもかというほど準備する、マインドセットを変える、ポジティブに承認する言葉を繰り返す、大きなタスクを小さく分割して片付けていく、完璧でなくとも行動を取る、といったことが含まれる。

 どのような方法を採用するにせよ、マネジャーとしての仕事にはストレスを軽減できるようチームを助けることも含まれるので、あなたの対処法を共有することが重要だ。

 チームのメンバーは、あなたの冷静さを冷淡さと勘違いするかもしれない。自分のストレス軽減法のテクニックを共有することで、チームやマネジャーはあなたが同僚の心身の健康にも気遣っていると見るようになるだろう。

 私がコーチしたあるリーダーにとっては、チーフ・レベニュー・オフィサー(CRO)とのミーティングがストレスの引き金だった。彼の解決法は過剰なほど準備をすることだった。これがミーティングを円滑に進めるのに役立った。

 私のクライアントはその後、自分の同僚にも同じ方法を取るようにコーチした。少なくとも1週間前には準備を完了させておき、間違いがないかを確かめるためにデータを同僚と共有し、ミーティングの前に最低3回は話し合いの練習をするのだ。これはかなり余計な仕事に思えるかもしれないが、ミーティングの質は向上した。

 リーダーの中には、単に何か行動を取ることでストレスを和らげる人もいる。パズルの小さな1ピースに取り組むだけでも、達成感が得られる。

 あるマネジャーは、失敗するよう仕組まれた新事業部を任されたと、かつて感じたことを私に打ち明けた。十分な人材が配属されていなかったからだ。しかし、このマネジャーは、追加のリソースなしに仕事を進めて成功させなければならないことも理解していた。

 そこで彼は、プレッシャーに潰されないよう、やるべきことを着実にこなしていこうとチームをコーチした。この事業部の状況は、さすがに好転はしなかったものの、新しいメンバーを迎えるまでチーム全員がモチベーションを高いまま保って取り組むことができた。

 ●他人が感じているストレスに共感する

 周囲の人たちがストレスを感じている理由を理解できないとしたら、あなたは無関心だと受け取られるリスクがある。私が一緒に仕事したリーダーの一人は、ストレス反応による行動を理解できなかった。全社的に在宅勤務へと移行していく際、彼は自分のチームメンバーが各自の方法でストレスに対処できると考えていた。

 別のシニア・バイスプレジデントも同様のマインドセットを持っていて、360度評価では「思いやりがない」との評価を自分のチームから受けていた。この印象を和らげるには、チームに対して「あなたたちのために私には何ができるだろうか」と尋ねるとよいと、私はこのシニア・バイスプレジデントに助言した。小さな変化だが、この問いかけに対するチームの答えを知ることで、彼はチームのメンバーがストレスの多い状況でどのように感じたか、なぜそのように感じたか、彼らを助けるのに何ができるかを理解できた。

 他人のストレスレベルに共感し、自分自身の対処メカニズムを教えることで、思いやりがあることを示せる。あなたと、あなたが率いる部門の双方にとって、この思いやりは好ましい結果をもたらすだろう。


HBR.org原文:Stay Cool Under Pressure - Without Appearing Cold, November 05, 2020.


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