●特に導入部分では、チャットを取り入れる

 オンラインプレゼンテーションで最も難しいのは導入部分で、誰も聞いていないように感じる最大の時だ。「えっと、これ、つながっていますか」「皆さん、聞こえますか」といった言葉は、導入としてインパクトが弱く、互いの距離感が増す。そうではなく、全員が参加できる何かを用意しておく。

 視聴者の反応を即時に得るには、チャット機能が便利だ。全員に関係する質問を投げかけ、チャットで回答を打ち込んでもらうのはどうだろう。たとえば、今回のプレゼンテーションで学びたいと思っていることを、それぞれ1つずつ書いてもらう。

 チャットは、みずから発言したがらない内向的な人に対して、特に有効だ。回答を受け取ったら、必ずいくつかを声に出して読みあげよう。可能であれば、ファーストネームで呼びかけるのもよい。

 最初に視聴者を取り込むことができれば、誰もが耳を傾けてくれていると感じることができ、残りのプレゼンテーションは自信を持って進められるようになる。

 ●視聴者が反応できない状況でも、会話調で語る

 視聴者がレスポンスできないウェビナーの場合、話し手は特に緊張しやすい。会話のキャッチボールを模倣するには、プレゼンを通して修辞疑問文(形は問いかけだが、質問ではない)で投げかけるとよい。

 たとえば、新しいアイデアを提案する時には「新しいことをやってみる気はありませんか」、気づいてほしいことがある時には「この図で、数字が低い値から高い値に推移しているのがわかりますか」と問いかける。

 修辞疑問文は、受け手の脳内にオープンループをつくり出すため、聞き手は自分で答えを見つけてループを閉じようとする。それによって、聞き手は話し手に語りかけることができない場合でも、プレゼンテーションの内容に積極的な関心を持ち続ける。

 話し手は、質問をし続けることによって、会話をしているような気持ちになり、不安をいくらか和らげることができる。

 ●聞き手側の気持ちになる

 バーチャルプレゼンテーションが居心地悪く感じる原因の一つは、視聴者との間に感情的なつながりを築きにくい点にある。プレゼンテーションを始める前に少し時間を取り、みずからを聞き手の立場に置いてみると、話す時に感情的なつながりを感じやすくなる

 バーチャルプレゼンテーションは、聞き手側にも難しく、気力が必要だということを肝に銘じよう。少しでも聞き手の気持ちを楽にするには、何ができるだろうか。

 バーチャルな聴衆の気持ちを理解することで、自分自身、そして自分がどう見られているかを意識しなくなり、不安が和らぐ。それは聞き手のニーズに応え、聞き手の役に立つプレゼンテーションを行うことにもつながる。

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 バーチャルプレゼンテーションは、本質的にやりづらいものだ。視聴者からのレスポンスがなく、会場の空気を読むこともできず、アイコンタクトもない。不安を高める要素ばかりだ。

 たとえウェビナーの場合であっても、会話のキャッチボールを再現すれば、視聴者とのつながりが感じられる。その結果、聞き手の側も話し手を身近に感じ、つながりを感じられるようになるのだ。

 つい忘れそうになるが、相手が見えないだけで、そこには聞き手が存在している。彼らはきちんと話を聞いていて、これまで以上に自分たちに意識を向けてほしいと願っているのだ。

HBR.org原文:Yes, Virtual Presenting Is Weird, November 04, 2020.


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