●ネガティブなものを避ける

 あなたが選んだ情報、消費しているメディア、聴いている音楽、一緒に過ごす人、尊敬する人など、自分の中に取り込んでいるものに注意を払おう。ネガティブなものは、こうした情報源から体内に染み込んでいく。ネガティブなものを避け、ポジティブなものに向かうシンプルな選択をする。

 ●声に出して言うことに気をつける

 ネガティブな言葉は、特に陰湿で強い影響力を持つ。あなたが考えていること、そして口に出すことに注意しなければならない。あなたの周囲にいる人があなた自身やあなたの気分に影響を与えることは確かだが、思考や感情をコントロールするのはほかの誰でもない、あなた自身だ。

 声に出して言うことは、大きな影響力をもたらす。トップアスリートを対象にメンタルコンディショニングのコーチを行っているトレバー・ムアワッドによると、単に頭の中で考えているのではなく、考えていることを言葉にして口に出すと、成功しているという感覚に10倍以上のダメージを与えるという。

 自分が状況をどうとらえて表現するか、口に出す前によく考えること。「これまでで最悪だ」「悲惨だ」、あるいは「散々だ」「ひどい」と言うのではなく、ニュートラルな表現に調整する。成長や学習の機会ととらえ直して、「挑戦しがいのある状況だ」と言ってみる。あなた自身への悪影響を最小限に抑えつつ、真実を認めることができるし、そうすべきだ。

 ●ニュートラル思考を取り入れる

 ネガティブ思考や不安は、私たちを散漫にさせ、基本的なタスクにも苦労するようになる。長期的には、ネガティブ思考が繰り返されることで、認知機能の低下やアルツハイマー病にもつながる。また、誰かを自分のネガティブ思考にさらすことで、その相手をも傷つけてしまうのだ。

 私たちはあまりにも簡単に、有害な人々や状況にとらわれてしまう。責任を押しつけ合ったり、状況について考え込んだり、過剰に分析したりする。しかし、マインドセットを前向きにして、自分でコントロールできることや次にすべきことに焦点を置くほうがはるかによい。

 前出のムアワッドが提唱しているのが、ニュートラル思考を取り入れることである。これは、即座に反応するのではなく、客観的に問題を評価して、リスクを分析する手法だ。まずはその時の状態を維持する、状況の進展に伴って反応する、自分の次の行動にどう影響を与えることができるかに集中し続けるという思考法だ。

 過去の失敗を分析することに固執したり、将来の不安や心配にとらわれたりしないようにする。一つずつ対処していこう。

 ●常に感謝の気持ちを持つ

 感謝することの効用は数多い。ストレスを軽減し、幸福度が増し、目標達成を促す。日頃から感謝の気持ちを持つと社会的なサポートが増え、さらにストレスとその悪影響が軽減される。

 ニュートラル思考だけでなく感謝も一緒に実践すると、特に強力な効果を発揮する。米国ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)のシアトル・シーホークスのクォーターバックで、スーパーボウルの優勝経験もあるラッセル・ウィルソンの例を挙げよう。

 彼は、父親の死、スーパーボウルでの衝撃的な敗北、新型コロナウイルス感染症が自分の人生や職業に与えた影響などを乗り切るために、感謝とニュートラル思考を組み合わせていることを明かしている。ウィルソンは「感謝の姿勢」があれば、困難もありがたく思え、乗り越えることができると話す。

 ウィルソンの助言によって、筆者らの家族もパンデミックがもたらしたポジティブな側面を考えることができた。たとえば、ほかの多くの家族がそうであるように、毎週ズームで顔を合わせる機会を設けたことで、これまで定期的に連絡を取ることがなかった世界各地の親族とつながることができた。