第2に、安心したり、つながりを意識したりできる機会をつくることも重要だ。現在のように不透明な時には、自分に対する期待値を下げてよいと話をしよう。自分を限界まで追い込む必要はないのだと、きちんと説明することが大切だ。

 同時に、メンティーの長所を評価していることを、言葉に出して伝える。長所を挙げるだけでも、驚くほど大きな力になる。「私が最も高く評価しているのは、あなたの好奇心と学習意欲です」あるいは「コロナ禍は、歴史書に記録されるレベルの出来事です。あなたは、私たちがそれを乗り切るのを助けてくれています。ありがとう」といった表現がありうるだろう。

 第3に、情緒面のウェルビーイングをサポートする方法を共有する。メンティー自身のサポートチームをつくるよう促し、ソーシャルメディアを見る時間は制限するよう助言しよう。あなた自身のサポートチームについて何か具体的に伝えて、自分がどのように活用しているか話すのもよい。メンティーが大切に思っている家族や恋人についても話を聞いてみよう。

 メンタルヘルスに役立つ情報について話すだけでも、この問題が特別なことではないという感覚を生み出せる。筆者らも全員、コーチや心理学者、セラピスト、スピリチュアルカウンセラーの助けを借りたことがあり、必要に応じて、その事実をメンティーに共有している。

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 メンターにとってもメンティーにとっても、特にこれまで停滞していた関係を改めて意義あるものにする、よい機会だ。たとえ、しばらく連絡を取り合っていなくても、メールやさまざまなツールを使って、いまどうしているか近況を尋ねることは助けになる。バーチャルメンタリングは、対面でのメンタリングほどの満足度は得られないかもしれないが、その効能を裏づける証拠はある。

 自分一人だとしても、大小さまざまな恒久的変化をもたらすことはできる。何気ない瞬間に交わした言葉でも、一生忘れられない言葉になることはあるのだ。


HBR.org原文:Mentoring During a Crisis, October 29, 2020.


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