●心理的安全性

 新入社員は、従業員の中で最も所属感や心理的安全性が乏しい。だから質問はたくさんしてよいし、仕事が始まって1週間で何もかも知らなくてよいと、新入社員にはっきり伝えることが特に大切だ。

 リモートワークでは、細かい質問に答えてもらいにくい。また、この経済状況では、仕事があるだけでも幸せだとか、いまの仕事を失うのが怖いと思っている人は少なくない。そのため、かまってほしいだけだろうとか、理解が遅いとか、面倒くさいなどという印象を与えるのを恐れて、質問をためらうことがある。

 しかし質問をしないのなら、本来の力を仕事で発揮できていないか、自分がどう見られるかを心配することに貴重な知力を費やしているかのどちらかだ。「やってもよいことリスト」ならば、誰でも質問をしてよいと伝えられる。

 より具体的な書き方もできるだろう。つまらない質問だと思っても聞いてよいとか、一度質問したことについて、より深く理解するために再度質問してもかまわないといった具体だ。

 ●仕事のスタイル

 私たちはしばしば、非常に外向的な人、慎重に決断をする人、自己主張が強くて弁の立つ人のように、仕事のスタイルがまったく異なる人とともに働く。

 たいてい、その組織で最も標準的な仕事のスタイルを定めるのは、権力のある人や多数派の仕事スタイルだ。たとえば、大半のメンバーが外向的だったり、とりわけリーダーが外向的だったりする場合、大人数の会議や共同作業のセッションが標準になるだろう。

 仕事のスタイルが周囲と異なる人を安心させるために、「やってもよいことリスト」を利用して、無理に合わせなくてもチームの一員でいられることを強調することもできる。

 たとえば内向的な人には、ビデオ会議ではミュートを解除して発言する代わりにチャット機能を使ってよいことにする、あるいは重要なことを決める時にもっと考える時間を求めてよいことにする、という手がある。

 ガールスカウトのダイアモンズ・オブ・アーカンソー・オクラホマ・テキサス支部でプログラムマネジャーを務めるブライリー・ノエル・ハチソンは、チーム内では率直に物を言い、沈黙を許容し、プロジェクトを順調に進めるために催促や念押しをしてもかまわないことにしているという。

 さらに言えば、「やってもよいことリスト」が求人ツールに化けることもある。英国人ライターのジャイルズ・ターンブルは、こう言った。「ブログでポスターを見たり、ソーシャルメディアでポスターの写真を見たりしたことがきっかけで、英政府デジタルサービス局の職に応募したという人が何人かいました。1枚のポスターの写真が、求人の強力な武器になったのです」

 リストづくりは単純な作業だが、新人にも、正社員にも、そして将来の社員にもメリットをもたらす。さらに、仕事のやり方が変わった時も、文化を強化するのに役立つのだ。


HBR.org原文:Write Down Your Team's Unwritten Rules, October 26, 2020.


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