最初に覚えた抵抗感を克服したら、セルフケアを日々のルーチンに取り入れる方法を考え始める。以下に、筆者のクライアントに効果のあった方法をいくつか紹介しよう。

 ●セルフケアと上手に付き合う

 セルフケアと言わずとも、好きな呼び方でよい。まずは自分の抵抗感を認めることが、克服の第一歩だ。

 たとえば、あるリーダーにとってセルフケアとは、床に座ってあぐらをかき、香を焚いたりチャントを唱えたりする長時間の瞑想のことだった。彼はそれを完全に嫌悪していた。だが、その誤解を解くと、セルフケアについてより有意義な理解を得ることができた。

 彼にとってのセルフケアとは、朝にジャーナルをつける、午後に自然の中を短時間散歩する、夜の15分間は子ども抜きでジャズを楽しむことだった。

 ●自分のものにする

 セルフケアは、それを実践する人と同じだけ、個人差があることを理解しよう。その形はさまざまだ。

 あなたはスパが好きではないかもしれないが、自然からエネルギーを得ることができるかもしれない。電話で話すのは疲れるかもしれないが、絵を描いたりクロスワードパズルを解いたりすると、元気が出るかもしれない。その逆の場合もあるだろう。

 ●小さなことをする

 短時間の気晴らしが、大きな力になることがある。筆者のクライアントの一人は、毎日時間を決めてアラームをセットし、「慈悲の瞑想(loving kindness meditation)」を5分間行っている。それによって「多くの雨風が吹きつける」中で、自身を失わずにいることができるという。

 感情を制御するオンラインのマインドフルネス瞑想、自己認識を促進するジャーナル、ウェルビーイングと創造性を高めるクリエイティブライティング、社会的なつながりを増やして疎遠になっていた相手に連絡を取ること、ポジティブになるための感謝のエクササイズや親切な行為、血流をよくするために自宅周辺を歩くことなどを試してみよう。

 ●スケジュールに組み込む

 計画を立てたら、それをスケジュールに組み込み、正式な予定にしよう。具体的に何をしたいかわからない時は、毎日2回、10分間ずつ時間を確保して、アラームをセットする。そのうえで、それぞれの時間帯に試してみる、新しいセルフケアの行動を決めることから始めるとよい。

 ●試してみる

 最初は、完璧にはできない。一度始めたら、うまくいっているもの、変えたほうがいいもの、ルーチンに加えたほうがいいものを考える。

 友人や同僚からインスピレーションを得ることもできる。また一からやり直す必要はなく、彼らが実践していることに興味があれば、それを真似して自分のものにすればよい。

 ●習得したら、共有する

 リーダーであるあなたは、部下の手本になる。うまくいったことを彼らに共有し、自分を労ることの重要性を言葉と行動の両方で明らかにしよう。セルフケアに対するあなた自身の投資をオープンにすれば、チームや組織全体があなたについてくる。

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 セルフケアは、あなた自身から始まる。セルフケアにはさまざまな形態や規模があるが、一貫性をもって意識的に行うことで、あなたがよりよいリーダーに、そして幸せで健康的な人になるために必要なツールになる。

 ベストな状態の自分になりたいと考え、周囲の人にもそう促したいのなら、自分自身のウェルビーイングに投資する時間をつくる価値はある。


HBR.org原文:"Serious" Leaders Need Self-Care, Too, October 22, 2020.


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