●自分の経験や関係性を織り込む

 自分の経験を織り込んで向き合うと、強力な効果を発揮する場合がある。自分の親しい人が、バイアスや性差別によっていかに嫌な思いをしたかを誠実に話すことで、相手の男性が新たな視点から自分の行動を見直すきっかけになりうる。

「妻が職場で同じことを経験した。あってはならないことだ。この会社の女性たちに同じ経験をしてほしくない」と、冷静かつ明確に伝えることで、相手の男性に大きなインパクトを与えられるかもしれない。

 あるいは「君がいいやつなのは、私もよく知っている。だからこそ、『女性はもっと微笑むべきだ』なんて言って、知らず知らずのうちに女性たちを怒らせてほしくない」という言い方をすれば、相手に向上心を持ってもらうことにつながるだろう。

 ●時にはユーモアを交える

 相手の男性がよく知っている同僚なら、ユーモアのある短いコメントが格好の介入方法になるかもしれない。

 たとえば、ある男性が女性の同僚を「かわい子ちゃん」と呼んだら、「ソフトウェア開発者を全員『かわい子ちゃん』って呼ぶつもりか?」と、からかってみてはどうだろう。

 ミーティングでいつも女性の話をさえぎる同僚には、スポーツに関連するユーモアを使うのもよい。「ペナルティー! イエローカードだ」と、黄色い付箋をデスクに貼り付けてみるのも手だ。

 ●相手の味方であることを示す

 男性の行動を本当に変えたいならば、異論と強化を上手に取り混ぜた方法が最善だ。あるエグゼクティブリーダーが我々に打ち明けてくれたように、真の仲間であれば、向き合うことを思いやりに満ちたものに変えられる。

 男性が性差別的あるいはハラスメントになるジョークを飛ばした場合、まずは、自分も相手と同族であり、悪意はないことを知らせる表現を選ぼう。ミーティングの後に彼を呼んで、ストレートに話をすること。自分は相手のことを心配しているのだと示そう。非難めいた口調を避けつつ、「私」を主語にした言い方で、友人あるいは同僚として彼の発言をどう思ったかを明確に伝えるのだ。

 問題の言動をはっきり知らせるために、状況や関係者を具体的に挙げること。「デフコン5」のような警戒を促す必要はないが、彼の行動が他人を傷つけるとともに彼自身の信頼を傷つけていること、そしてあなたが心配している理由をきちんと伝えよう。彼がジェンダーに対して一定の認識を持ち、インクルーシブな考え方を示したら、ポジティブなフィードバックによってそれを強化する。

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 ほかの男性の言動を注意する時に重要なのは、相手を侮辱したり、屈辱感を味合わせたり、喧嘩腰のやり取りをしないことだ。万能薬は存在しない。2人きりになって話したほうがよい結果をもたらすこともあれば、大勢の前で話をしたほうがよい場合もある。

 相手が親しい同僚で、あなたのフィードバックをオープンに受け入れ、人柄はよいが世間知らず、あるいは期待されている行動規範が変化していることがわかっていない場合は、2人きりで話すといいだろう。

 一方、あまりにもひどい言動で、ほかの同僚のやる気を失わせたり、職場の人間関係を傷つけたりする場合、あるいはその男性が過去にも同じような言動を繰り返しており、女性に対する態度を変えようとせず、2人きりで直接話しても改善が見込めない場合には、その問題を大勢の前ではっきり指摘することが不可欠だ。

 アライシップは困難な仕事だ。持続性のある有意義な変化を生み出すには、大胆だが思慮深く、思いやりに満ちたな支援や監視が必要だ。しかし、最高のアライシップを実践する者は、現状を破壊する困難な仕事に喜びを見出す勇気を持ち合わせている。


HBR.org原文:How Men Can Confront Other Men About Sexist Behavior, October 16, 2020.


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