男性に「あなたは、ジェンダー平等を支持しているか」と尋ねれば、多くがイエスと答えるだろう。だが、実際に自分以外の男性が女性を差別する発言をしたり、行動を取ったりする場面に遭遇すると、沈黙してしまうことが少なくない。しかし、そこで男性が積極的に向き合うことには、ジェンダー平等を大きく前進させる効果があるという。本稿では、男性が男性の同僚による悪質な性差別に声を上げるための6つの戦略を提案する。


 世界的に見て、ほとんどの男性がジェンダー平等を支持しており、有意義な形で貢献していると思っている。

 それを対人関係のアライシップ(interpersonal allyship:女性のメンターになったり、職場で女性の背中を押したりする支援者)で実行する男性もいるが、より公的なアライシップ(public allyship:職場で女性の平等や尊厳、敬意、公平を唱える勇敢な監視者)を実践する男性はほとんどいない。

 それはおそらく、男性の77%が自分はジェンダー平等のためにできる限りのことをしていると思っているが、それに同意する女性は41%しかいないことを裏付ける証拠だろう。つまり、男性は悪質な言動を目にした時には、もっとはっきり声を上げる必要がある。

 自分以外の男性が女性を差別したり、偏見に満ちた行動を取ったり、嫌がらせをしたりといった不適切な行動を取るのを見た時、積極的に向き合うことは、男性のアライシップの最も困難な部分かもしれない。だが、それは必要不可欠な行動でもある。多くの男性にとって、男性的な職場の規範に異を唱えることは、アライシップの難しさがリアルに感じられる場面だ。

 我々は「向き合う」の意味を、次のように定義している。すなわち「意識的か否かを問わず、女性差別や女性排除を推進したり、その結果を永続化させたりする言動を取る男性に、それを気づかせること」を指す。

 男性が、たとえ無意識だとしても、女性の品位を落とし、不快な思いをさせ、嫌がらせをした時に、ほかの男性が積極的に向き合おうとすることが、なぜそれほど重要なのか。いくつかの理由がある。

 第1に、女性が男性の悪質な言動を批判すると、ネガティブな評価を受けることが多い。男性と同じように働いていても、仕事の能力が低いという評価を受けることさえある。

 第2に、ジェンダー公正と平等によって利益を受ける側にはいない男性が、バイアスや性差別に声を上げたほうが、第三者に対して大きな説得力を持つ可能性が高い。

 第3に、あるメッセージがどのように受け止められるかは、その内容よりも、誰が言ったかのほうが大きな影響力を持つ。相手の態度や行動を変えることを狙って向き合う場合、相手と似ていると思われる人が向き合うほうがインパクトは大きい。この場合、別の男性が「男としてそれはまずいだろう」あるいは「そういう言動は男らしくない」と言うのだ。

 第4に、男性は一般的に、自分だけが性差別的なコメントや卑猥なジョークに異論を唱える状況を怖れる。実際は、多く男性が不快感を覚えるという証拠があるにもかかわらず、である。そのため、声を上げさえすれば、その呪縛が解けて、ほかの男性も一緒に声を上げることができるのに、彼らは沈黙している。

 不正な言動に声を上げるのは怖いかもしれないが、それをやりやすくする方法がいくつかある。筆者らの新著Good Guys(未訳)から、いますぐ職場で使える6つの向き合うための戦略を紹介しよう。