この研究と、睡眠と仕事の成果の関係を論じた筆者の以前の研究を踏まえて、我々は次のステップとして、ブルーライトカットの眼鏡の着用が仕事の成果に及ぼす影響を検証した。

 ブラジルで働く従業員を対象とした2つの研究を行い、仕事へのエンゲージメント、支援行動、望ましくない労働行動(職場で人を不当に扱うなど)、業務のパフォーマンスなど、仕事の成果を広範に検証した。

 第1の研究ではマネジャー63人について分析し、第2の研究では顧客サービス担当者67人を分析した。両方に、同じ実験計画法を使用した。

 被験者は1週間にわたって、毎晩、就寝前の2時間、ブルーライトカットの眼鏡を着用する。また、同じ被験者が別の1週間に、毎晩、就寝前の2時間、「偽物」の眼鏡を着用する。偽物の眼鏡は、フレームは同じだが、ブルーライトを遮断しないレンズでできている。

 眼鏡の着用によって睡眠やパフォーマンスへ異なる効果が出るのか、出るとしたらどの方向なのかなど、被験者はいっさい知らされていない。それぞれの被験者が最初の1週間にどちらの眼鏡を着用するかは、無作為に決定した。

 2つの研究の結果は、驚くほど一致していた。被験者の回答によると、偽物の眼鏡を着用した週よりも、ブルーライトカットの眼鏡を着用した週のほうが、睡眠時間が増え(マネジャーの研究で5%増、顧客サービス担当者の研究で6%増)、睡眠の質も高かった(マネジャーの研究で14%増、顧客サービス担当者の研究で11%増)。

 睡眠の量も質も、4つの仕事の成果すべてに有益な効果をもたらした。被験者の回答では、偽物の眼鏡を着用した週よりも、ブルーライトカットの眼鏡を着用した週のほうが、仕事へのエンゲージメントが高く(マネジャーの研究で8.51%増、顧客サービス担当者の研究で8.25%増)、支援行動が増え(それぞれ17.29%増と17.82%増)、望ましくない労働行動が減った(それぞれ11.78%減と11.76%減)。

 マネジャーの研究の被験者の回答では、ブルーライトカットの眼鏡を着用した時は、偽物の眼鏡を着用した時よりも、業務のパフォーマンスが7.11%向上していた。

 だが、業務のパフォーマンスで圧倒的な結果が出たのは、顧客サービス担当者の研究だった。この研究では、個々の従業員の就業日における顧客サービス評価の平均を出したが、ブルーライトカットの眼鏡を着用した時は、偽物の眼鏡を着用した時に比べて、顧客サービス評価が9%向上したのだ。

 つまり、ブルーライトカットの眼鏡は、睡眠と仕事の成果の両方を向上させたのである。