Ruth Black/Stocksy

リモートワークが中心となり、上司や同僚とコミュニケーションを取る機会が減少したことで、人間関係よりも仕事の成果がより重視されるようにはなった。とはいえ、社内政治が完全に消滅したわけではなく、そのやり方が変わったにすぎない。「オフィスレス」な社内政治への移行期を迎えたいま、ビジネスパーソンは3つのチャンスを掴み取るべきだ。


 職種や会社や業界にかかわらず、ビネスパーソンの成功は実績だけでなく、社内政治という不透明な水域をナビゲートする能力に左右される。どんなグループや組織にもある、公式・非公式のパワーダイナミクスの威力を探り、社内政治を支配する(場合によっては有害な)性質を明らかにした研究は数多く存在する。

 だが、オフィスがなくなったら社内政治には何が起こるのか。しばらく前から在宅勤務は存在してきたが、コロナ禍はオフィスを完全に取り除き、同僚や上司との物理的な接触や交流を消滅させ(それとともに人心操作やイメージ管理の戦術にかまける機会も一掃し)、仕事のあり方を劇的に変えた。あるクライアントは最近、「オフィスがなかったら、どうやって仕事をしているふりをすればいいんだ」と嘆いた。

 現段階では、多くのビジネスパーソンが出社を再開して(頻度は下がり、人数は抑えられているだろうが)、ある程度「正常な状態」を取り戻していることだろう。実際には、多くのビジネスパーソンにとって、大部分の仕事はいまも自宅でこなすことができる。それでも仕事上の交流は、ズームやマイクロソフト・チームズに限定されるだろう。

 これは社内政治にとって何を意味するのか。古い規範やルールはいまも当てはまるのか。バイアスやコネの威力が低下して、実力主義的な人材管理が拡大すると考えてよいのか。テクノロジーは、会社における人間の行動のダークな側面を駆逐して、純粋な仕事の成果だけに注目させ、インフォーマルなネットワークやソフトパワーの威力を低下させるのか。

 しかし、物理的な職場が消えたからといって、社内政治も消滅したと考えるのは甘い。在宅勤務になっても企業文化がなくならないのと同じだ。この「オフィスレス」な社内政治への移行期、ビジネスパーソンには3つの大きなチャンスがある。