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新型コロナウイルス感染症のパンデミックを機に、従業員が出社勤務か在宅勤務かを選べるハイブリッドチームに移行したケースは少なくない。だが、在宅勤務を選択する従業員が抱える課題は、子育てから自身の健康問題まで多種多様であり、オフィスで仕事をする従業員との間に何らかの不調和が生じるおそれもある。リーダーは、在宅勤務するメンバーを除外することなく、全員を公平に扱い、誰もが自分もチームの一員であると感じることができる組織づくりに注力しなくてはならない。そのために必要となる新たなルールやリーダーとしての役割について論じる。


 従業員が必要とするものは、常に多種多様だ。しかし、多くの会社が何らかの形でオフィス再開に向かおうとしている現在、あなたのチームは、メンバーそれぞれが極めて異なる事態に直面している可能性がある。

 子どもの預け先が限られている人もいれば、まったく見つからない人もいる。オンライン授業で学ぶ子どもたちをサポートする必要がある人もいるだろう。健康上の問題でオフィスに戻れない人もいれば、家から出てオフィスにある自分のデスクに戻るのが待ちきれない人もいる。

 リーダーとして全員を公平に扱いつつ、こうした多様な状況をどのように管理すべきか。オフィスに出社している従業員と在宅勤務をしている従業員を調和させるには、どのようなルールを設定すべきだろうか。

 計画は常に変わる可能性があることを踏まえ、どのように柔軟性を保つべきか。そして、この移行時期に自身でストレスを管理しようとしている従業員をどう支援すべきだろうか。

専門家の意見

 出社してオフィスで一緒に働く従業員とリモートワークをしている従業員の両者がいるハイブリッドチームの場合、マネジャーは数多くの難題に直面すると、スリーコーズ(3COze)の共同創業者で、You First(未訳)の著者でもあるリアン・デイビーは語る。

 なかには、馴染みのある課題もあるだろう。たとえば、本社と支社がある場合に起きる現象に似た「私たち対あの人たち」という感情が、同僚の間で生じるおそれがあるとデイビーは言う。地理的に分散したチームでよく見られるコミュニケーションやチームエンゲージメント、調整にまつわる問題もある。

 ただし、ハーバード・ビジネス・スクール(HBS)教授で『ハーバード流ボス養成講座』の共著者であるリンダ・ヒルによると、これまでにはなかった新たな課題も生じている。たとえば、世界規模のパンデミックに脅かされつつ働くことは、ストレスや複雑性を別の次元に高める。そのため、思いやりを持ってチームを率いることが、この時期には不可欠なのだ。

 ヒルは、次のような問いかけから始めることを提唱している。「我が社の従業員は仕事をしながら、どのような経験をしているのか。従業員が最善を尽くせるようにするには、どのようにエンパワーすればよいか」

 以下に、いくつかのヒントを挙げよう。