選挙人制度にプラス面があるとすれば(かなり論理の飛躍があることは承知のうえだ)、民主党が真っ赤な地図を見て、ハートランドの人々に、政府が彼らのために働くというメッセージを送らなければならないと気づくことだ。特に上院では、農村部のほうが「1票の重み」が著しく大きいことを考えると、これは一段と緊急に取り組むべき課題だ。

 事実、今回上院議員の改選が行われた州では、民主党優位の州から莫大な選挙資金が流れ込んできたにもかかわらず、共和党は上院で過半数を維持する可能性が十分にある。民主党が農村部の有権者にアピールする方法を見つけない限り、上院共和党を率いるミッチ・マコーネルによって、バイデンの公約実現は大きく妨げられかねない。

 非白人と、白人労働者階級、そして大卒リベラルの支持を獲得したことで、民主党はコロナ禍と大恐慌以来の失業率の中で大接戦を制した。しかし、南北戦争後の金ぴか時代並みの格差に終止符を打ち、あらゆる人種に中流の安定した暮らしを手に入れるチャンスをもたらすには、農村部の有権者にも手を差し伸べる必要がある。

 中国では長年、農村住民の身長が都市住民の身長よりも低かった。それは、エリート層が豊かさを都市部で独占していたからだ。米国でも同じことをすれば、今後もトランプのような政治家を誕生させることになるだろう。米国はそのような成長阻害を当然のものと認めないし、認めるべきではない。


HBR.org原文:How Biden Won Back (Enough of) the White Working Class, November 10, 2020.


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