(1)レジリエンスとは、苦難に直面した際に反応として生じる精神状態である

 本調査では回答者らに次の質問をした。自分自身、家族、仕事のチームの一員、またはその他の知人が新型コロナウイルスに感染したか。このいずれかを肯定した人は、高いレジリエンスを持つ傾向が3.9倍高かった。

 国のパンデミック対策がどれほど奏功したかは、関係なかった。レジリエンスに影響を及ぼしたのは、本人がどれほど身近に感染を経験したかである。より身近であるほど、レジリエンスが高いのだ。

 ここから、次のことが強く示唆される。人は避けられない大きな苦難を強いられた時にのみ、自身の中にレジリエンスを見出す。辛い現実に向き合い、自分を見つめ、どう対処するかを考える時に、レジリエンスの源が見えてくる。

 現実はたいてい、想像していたほど怖くはない。病気という現実によって、自分には何ができるかに気づき、それが強さになるのだ。

(2)脅威がより具体的であるほど、人はレジリエンスを高める

 本調査では、コロナ禍によって職務環境に何らかの変化が生じたかを尋ねた。外出回避、就業時間の変更、レイオフ(一時解雇)や自宅待機、テクノロジーの利用増などを含め、考えられる11の変化の一覧を回答者に提示した。

 世界の回答者の96%は、最低一つの変化を経験していた。当然だろう。しかし意外にも、5つ以上の変化に該当した人もいた。それらの回答者は、この変化が永続するだろうという考えがより顕著だったことに加え、高度のレジリエンスを自認する傾向が13倍高かった。

 つまり、仕事で大きな変化を受け入れるよう強いられた人は、レジリエンスのレベルが高まったということだ。実際、経験した変化の数が多い人ほどレジリエンスが高かった。