これらの問いへの答えを探るために、我々ADPリサーチ・インスティテュートのチームは2つの実地調査に着手した。

 1つ目の調査では、職場におけるレジリエンスの源泉を突きとめることと、それを測定するための最適な質問を見出すことを主眼とした。そのうえで、個人とチームのレジリエンスを高める具体的な法則を導き出そうと試みた。調査結果の完全版はこちらを参照されたい。

 次に、世界各地の職場のレジリエンスについてグローバルな調査を実施した。25カ国で働く2万5000人の成人に、レジリエンスについてカギとなる10の質問を尋ねた。各国について、最初に国内就労者の人口動態構成が反映されるよう層別化したサンプルを構築。そして2020年7月、各国で高いレジリエンスを持つ労働人口の割合を見極めるために10の質問を提示した。

 私は次のような仮説を持っていた。新型コロナウイルス感染症の拡大に最も効果的に対処した国ほど(100万人当たりの死者数と感染者数で測定)、労働人口におけるレジリエンスは高いのではないか。

 たとえば台湾、シンガポール、韓国などでは非常に高く、ブラジル、インド、米国などでは相対的に低いと予想した。なかでも米国は、人口は世界の4%だが、新型コロナの感染数では世界の20%以上を占める。これほど大量の感染数は、レジリエンスのレベルに負の影響を及ぼしているのは確実と思われる。

 私は間違っていた。仮説は裏づけられず、それとは大きく異なる傾向が現れた。そこから明らかになったのは、個人が生きていく中でレジリエンスをどう養えるかだけではない。なぜ私たちの上に立つリーダーの多くが、間違った方法で人々のレジリエンスを高めようとしているのかも見えてきた。

調査結果

 考えられる諸要因のうち、いくつかを先に除外してしまおう。

 レジリエンスのレベルに性別は関係ない。世界各地の男性と女性の間でほぼ同じだ。年齢も大きな要因とは思われない。

 民族性や国籍も、レジリエンスとの強い相関は見られなかった。

 代わりに、2つの大きな要因が明らかになった。これらを総合すると、直観に反する興味深い法則が導かれる。