HBR Staff/Charles Deluvio/Unsplash

困難な問題を解決するために、できるだけ多くの関係者にアイデアを出してもらったり、外部から専門家を招聘して意見を仰いだり、集団で意思決定を行うことは珍しくない。だが、知識がたくさん集まったからといって、最善の決定がなされるとは限らない。むしろ、意思決定のプロセスにバイアスが生じて、思いも寄らぬ結果を招いてしまいがちだ。行動科学や意思決定科学の専門家として、現場で長年にわたる実践経験を持つ著者らが、集団での決定を正しく行うために必要な7つの戦略を提示する。


 人は仕事で難しい問題に直面すると、グループで解決に当たろうとする傾向がある。1人で考えるよりも、多くの人が知恵を持ち寄るほうがいいに決まっていると考えるからだ。

 だが、実はそうとは限らない。知識のプールが大きいからといって、よりよい結果が得られる保証はまったくない。組織階層への過剰な信頼、反対意見を本能的に取り除こうとする力、そして調和を維持したいという思いから、多くのグループは集団思考に陥る。

 専門家が見当違いの意見を示した場合には、集団の決定はたちまち歪められてしまう。個人のバイアスは容易に集団全体に広がり、それぞれが好ましいと思っていた範囲を大きく逸脱する結果をもたらす。しかも、こうしたプロセスのほとんどは、無意識に生じるものだ。

 だからといって、グループで決定を下すべきではないと言っているわけではない。ただし、そのためには正しいプロセスをつくる必要がある。

 筆者らは、行動科学および意思決定科学に関する研究、そして何年にもわたる現場での実践経験に基づき、集団による意思決定の有効性を高めるための7つのシンプルな戦略を特定した。