●目標を明示する

 自分の価値観や目標をはっきり示すと、それに則した行動をとるようになる。「他の人が誰かに自分のことを話す際、何と言ってもらいたいか」を考えてみよう。あるいはミタンのように、仕事に関連した具体的な目標を設定し、自分の価値観に合った方法でそれを達成しよう。

 ●フィードバックを受け入れる

 自分の思い通りに何でも物事が運ぶ人はいない。しかし、自分が重視する価値観やコミットメントと、人が自分と接して抱くイメージとが一致しない時、信頼関係や有意義なつながりを築く能力が低下する恐れがある。優れたリーダーは、他者が自分にどのような印象や認識を抱いたかを積極的に知ろうとし、それを自分の問題として受け止め、そこから学ぼうとする。

 たとえば、銀行でシニアマネジャーを務めるジェームズは、年次の360度評価で得たフィードバックを受けて自省することに加え、四半期ごとに1対1のミーティングの場で部下に次のような質問をしている。「私のリーダーシップや、互いの仕事上の関係を向上するために、私が改善できることは何ですか」

 また、会議やプレゼンテーションのたびに、チームや同僚にリアルタイムのフィードバックを求めている。相手が「いや、素晴らしかったです。言うことはありません」と表面的な回答をした時には、このようにつっぱねる。「ありがとうございます。ただ、次回もっとよくしようと思ったら、2つ3つ変えたほうがよいと思うことは何ですか」。このフィードバックを通じて、ジェームズは自分が意図する影響力を持っているかどうかを確認するだけでなく、他者との人間関係を築いている。

 ●時間を設けて会話の幅を広げる

 バーチャル環境で仕事をしている時は特に、会議から会議、議題から議題へとつい急ぎがちになる。そこで危険なのは、一緒に働いている人たちの状況を見逃してしまうことだ。

 いま、彼らの最大の関心事は何だろうか。何に刺激を感じているだろうか。どのような機会を見出しているだろうか。いかなる不安を感じているだろうか。効率よりも好奇心を優先すると、もっと強いつながりが得られ、そこで得た情報を使うことでより大きな影響力を及ぼすこともできる。

 雑談や議題の間に短い時間枠を設けて、ともに働く社員の状況や、彼らが何にやる気を感じているかを聞き出す。シンプルで構わない。「具体的な話に入る前に皆さんの状況、たとえば前回話をした時から変わったこと、いま最も集中しなければいけない仕事、抱えている問題などについて聞かせてください」

 意味のある会話でありさえすればよく、長く話す必要はない。やかましいと思われないかと気になるかもしれないが、相手が同僚であろうとクライアントであろうと、本当に関心を持って質問すれば、好意的に受け取られる可能性が高い。

 あるシニアリーダーは、この方法で「自分の仕事が一変した」という。彼女は、いかに影響力が増し、コラボレーションを推進する能力が向上したかを話してくれた。人からより信頼されるようになったおかげで、社内のさまざまな部門の人をプロジェクトに巻き込めるようになり、それがクライアントの利益につながった。また、複雑な問題を人と協力して解決する機会に、以前よりも気づけるようになったという。