アクションを取るべき3つの領域

 筆者らの調査研究は、ジェンダー平等を実現するために、政策立案者とビジネスリーダーがいますぐ行動を起こす必要があることを強く示唆している。行動すべき領域は、以下を含む包括的なものでなくてはならない。

「無給労働に対する意識向上や男女のリバランスを通じた、育児におけるジェンダー不平等の削減」や「デジタルインクルージョンにおけるジェンダー不平等の削減」(コロナ禍で在宅勤務とオンラインショッピングが急増していることを考えると、これはとりわけ重要だ)、そして「影響力のある男性に協力してもらい、職場に女性が増えれば社会的・経済的恩恵がもたらされることを身近に感じてもらう推進策を実施して、考え方のバイアスに取り組む」ことである。

 企業のCEOは、次の3つのアクションから始めるのがよいだろう。

(1)データを取る

 ビジネスリーダーは、ジェンダー平等の後退が社内に与えるインパクトを透明化する必要がある。

 雇用喪失や休暇申請は女性に多いか。女性の昇進率は鈍化したか。新規雇用者のジェンダーバランスはコロナ禍前のレベルを維持しているか、それとも低下しているか。これらは全社的なデータに限らず、さらに部門別あるいは勤続年数別の数値も出して詳細を把握できる。

(2)行動を起こす

 多くの企業では、すでに柔軟な働き方を可能にする方針を実施している。だが、世界各地でロックダウン措置が再導入される中、勤務評価にコロナ禍の影響をより考慮したり、従業員の燃え尽きを予防したり、スポンサー制度や従業員リソースグループ(ERG)といった従来のダイバーシティ推進策をリモートワーク向けに手直ししたりする必要がある。

 元従業員を再雇用する場合は、その採用活動にジェンダー多様性を考慮する必要がある。リスキリング(再教育)に投資する場合は、女性従業員の参加を強く推奨しなくてはならない。

 コロナ禍の時代は、模範を示すリーダーシップが効果を発揮するだろう。従業員が無給ケアを担っていることをオープンに話せる環境をつくり、リモートワーカーのために仕事と家庭の境界線を設定し、自社が女性従業員の心と体のウェルビーイングに配慮していることを示そう。