では、雇用喪失率の男女差の4分の3を説明する要因は何なのか。

 重要な要因の一つは、無給ケアの負担だ。その需要は、このコロナ禍で大幅に拡大している。世界的に見て、女性は無給ケア(育児や高齢者の介護、料理や掃除などを含む)の75%を担っている。

 新型コロナウイルス感染症により、家族のケアに費やす時間が著しく増えた結果、女性は、労働市場のダイナミクスだけでは説明できない割合で労働人口から離脱してきたのだ。

 新型コロナウイルス感染症は、女性の起業にもいびつなインパクトを与えている可能性がある。これには、新興国で女性が所有する小規模事業が含まれる(新興国では、こうした事業が女性の労働人口の大きな割合を占める)。

 コロナ禍は、投資資金が減ったり、子どもの学校がオンライン授業になってデジタルデバイスをシェアする人数が増えたりといった形で、家族のリソースを乏しくした可能性もある。

 伝統的な考え方も、コロナ禍が女性に与えた経済的インパクトの要因になっている。組織レベルでも家族レベルでも、夫婦のどちらが仕事を維持するかの判断に、伝統的なマインドセットが影響を及ぼしている可能性があるからだ。

 世界価値観調査(World Values Survey)によると、南アジア、中東、北アフリカの多くの国では、雇用が少ない時は女性よりも男性のほうが仕事をする資格があると答えた人が半分以上にのぼった。先進国でも、6人に1人が同じように答えた。