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非接触型決済サービスの競争が年々激化し、新型コロナウイルスの感染拡大でその需要はいっきに高まった。しかし、各社ともに同じようなサービスを提供しながら、なぜ普及状況に大きな差が生まれているのか。本稿では、中国のアリペイと米国のアップルペイを比較し、その理由を解き明かす。


 新型コロナウイルス感染症が登場する前から、モバイル決済プラットフォームは米国と中国でもてはやされていた。

 携帯電話を介して行う安全で非接触型の決済サービスであるアップルペイ(米国)とアリペイ(中国)は、人々の決済法を根本的に変えた。どちらのプラットフォームも成長しているが、アリペイがアップルペイを上回っている。ベイン・アンド・カンパニーによると、2019年後半の時点で中国の消費者の81%がアリペイを利用しているのに対し、米国の消費者はわずか9%しかアップルペイを利用していない。

 両国の規模の差を考えると、中国のアリペイの利用者数と米国のアップルペイの利用者数の差は驚くほど大きい。この圧倒的な差を生み出している要因にはどのようなものがあるだろう。

 筆者らは金融サービス業界での豊富な経験とプラットフォーム企業との業務経験に基づき、プラットフォームを普及させるうえで重要な2つの戦略的ドライバーを発見した。1つ目は、すべての関係者のために価値を創造すること。2つ目は、製品だけでなくエコシステムを収益化することだ。

 これまでのところ、アップルペイは前者をわずかに達成したにすぎないが、アリペイはどちらも達成している。他のプラットフォームのリーダーは、両社の例から学ぶことができる。